息子の生後3ヶ月間、私は色分けしたスプレッドシートを武器に奮闘していました。睡眠のタイミング、飲んだミルクの量、うんちの回数を、まるで救命救急のリーダー看護師のような鬼気迫る真剣さで記録していたんです。スケジュールさえ守らせれば、息子もそれに従ってくれると思っていました。でも現実は、吐くほど泣き叫ばれる始末。深夜2時、ミルクの染みがついた授乳キャミソール姿でバスルームの床に座り込みながら、私の「完璧で厳しいタイガーマザー」の妄想は完全に崩れ去りました。私たちはスパルタ家族なんかじゃなかったんです。ただの甘々な家族でした。
4回目の睡眠退行と、息子がドロドロのニンジンのピュレを私の頭に投げつける技を覚えた日の間のどこかで、私はネットで「エレファント・ペアレンティング(ゾウ型子育て)」と呼ばれるものに降伏しました。どんなものか想像つきますよね。タイガーマザーとは真逆です。ルールを守らせることより、心の安心感を優先する子育て。我が子を、共感力の高い群れの一員として扱うんです。要するに、赤ちゃんゾウが「パオーン」と鳴いたら、一瞬で大人のゾウたちが鼻を寄せ合って守りの輪を作るような、そんな子育てです。
救急救命室(ER)では、トリアージというシステムを使います。最も重症な患者を最初に治療する仕組みです。我が家において、最も重症な患者は常に「赤ちゃん」です。待合室で出血している患者に「自分で落ち着いて」なんて言いませんよね。まずは手当てをするはず。それが我が家の基本哲学です。泣いたら、応える。
ネントレの失敗
私も、いわゆるネントレ(泣かせっぱなしにする睡眠トレーニング)を試したことがあります。でも、もったのはたったの4分。胸が張り裂けそうでした。息子の泣き声は、まるで体をバラバラにされているかのような悲鳴に聞こえたんです。私は部屋に戻って彼を抱き上げ、私の「規律正しいママ」としてのキャリアはそこで幕を閉じました。
小児科の先生は、この「すぐに応える」スタイルは、長い目で見れば脳の発達に良いかもしれないと教えてくれました。安心できる愛着関係が心の安全基地を作り、それが後々の自信につながるとかなんとか。神経回路の細かいことはよく分かりませんが、要するに、泣いているときに突き放すのではなく抱きしめてあげることで、コルチゾール(ストレスホルモン)のレベルが下がるそうです。なんだか説得力がありますよね。私が確信しているのは、私が同じ部屋にいるほうが息子はよく眠るということ。だから、私は彼と一緒に部屋にいます。
結局我が家は、添い寝をして、抱っこで揺らして寝かしつけ、欲しがるときに授乳するスタイルに行き着きました。罠かもしれませんが、とても居心地の良い罠です。夜中の半分は、小さな足が私の肋骨に突き刺さった状態で過ごし、「この子の将来の自立心を奪っているんじゃないか」と不安になることもあります。でも、息子がふうっとため息をついて私の腕にすり寄ってくると、「現実世界での自立なんて、まだ先でいいや」と思えるんです。
公園での過保護なヘリコプターママ
でも、この「甘さ」には暗い側面もあります。私は毎日公園でそれを目にしています。幼児用すべり台で遊ぶ3歳児から数センチの距離に張り付き、一挙手一投足を実況中継している親たち。見ているだけで疲れてしまいます。
小児科の先生からは、「やり抜く力(グリット)の欠如」についても警告されました。子どもが困難にぶつかるのを親が常に避けていると、自分で解決する機会を奪ってしまうそうです。クラッカーが半分に割れただけでパニックになる子どもと、新しいクラッカーを渡す代わりに一緒に深呼吸のエクササイズをしている親を見たことありませんか? 割れたクラッカーは、ただの割れたクラッカーでしかないんですよ。失われたおやつの悲しみにいちいち寄り添ってあげる必要なんてありません。ただ次に進めばいいんです。
ポジティブ・ディシプリン(前向きなしつけ)のトークスクリプト本なんて、もう二度と読みません。
いいですか、成長の記録に血眼になったり、ひとりで寝ることを強要したり、子どもの心の知能指数(EQ)について思い悩んだりする代わりに、とりあえず寝る時間まで、子どもを安全に、そしてそこそこ快適に生かしておくだけで十分です。時には転ばせることも必要です。私はベンチに座って、息子が落ち葉や木くずを口に入れるのをただ見ています。免疫力アップです。わざわざ駆け寄って彼の舌を除菌するなんてしません。「すぐに応えること」と「子どもをプチプチの梱包材でくるんで無菌状態にすること」は全くの別物です。
実際に役立ったサバイバルグッズ
この「優しい子育て(ジェントル・ペアレンティング)」ライフを楽しむなら、気を紛らわせるものが必要です。触れ合いに疲れ果てて、ただ10分間壁を見つめていたいと思ったとき、木製のレインボープレイジムだけが私の心のオアシスでした。買った一番の理由は、プラスチック製のように部屋のインテリアを邪魔しないから。木製の形合わせのおもちゃと、小さな布製のゾウのぬいぐるみがぶら下がっています。正直、これは本当に救世主でした。この下に息子を寝かせると、まるで宇宙の真理でも見つけたかのように、その小さな動物をじっと見つめていたんです。今は息子がジャングルジムのように扱っていますが、とても頑丈なのも嬉しいポイントです。私がまだ寄付箱に放り込んでいない、数少ないアイテムの一つです。

服についても同じです。ネット上ではオーガニック素材について大騒ぎされていますよね。私も、合成繊維の恐ろしさをネットで植え付けられ、オーガニックコットンのベビーボディスーツを何着か買いました。確かに良いものです。生地は柔らかく、5%のポリウレタン混紡でよく伸びるので、幼児の大きな頭もすんなり通ります。でも現実を見てください。おむつからのウンチ漏れは、そのコットンが倫理的に調達されたものかどうかなんてお構いなしです。お子さんが湿疹に悩まされているか、くすみカラーが好きなら買ってみてください。そうでなければ、引き出しに入っているきれいな服を着せれば十分です。
息子の奥歯が生えてきたときには、ジェントル・ペアレンティングなんて完全にどこかへ吹き飛びました。ただのサバイバルでした。私たちはシリコン製のパンダの歯固めを絶え間なく使っていました。「群れ」だの「優しい巨獣」だの言ってきましたが、頼りになったのはこのパンダだったんです。食品グレードのシリコンでできた平らなだけのおもちゃですが、野生動物のように噛みつく息子にもしっかり耐えてくれました。冷蔵庫に入れて冷やすこともできます。スーパーの床に落とすという避けられない事態が起きても、洗うのが簡単で本当に重宝します。
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なぜ私たちは「群れ」にこだわるのか
子供部屋が動物のモチーフで溢れかえっているのは面白い現象です。ミレニアル世代のベビーシャワーに行けば、必ずと言っていいほどゾウのプリントで埋め尽くされています。おくるみにも、壁のアートにも、おしゃぶりクリップにも。
きっと私たちは、その「群れのエネルギー」を必死に求めているんだと思います。私たち親は、小さなアパートや郊外の家で孤立し、地域社会の助けを借りずに子育てをしています。子どもにトラウマを与えてしまうことを恐れるあまり、過剰に修正しようとしてしまうのです。壁に水彩画のゾウのポスターを貼るのは、「お願い、誰かこの子を抱っこして!やっと髪が洗えるから!」という、無意識のSOSなのかもしれません。野生のゾウは、赤ちゃんが生まれるとメスたちが集まって守ります。シカゴに住む私の場合は、疲れ果てたママ友3人とのグループチャットがあり、午前4時に取り乱した音声メッセージを送り合っています。これが、私たちのバージョンの「群れ」です。
私のおばあちゃんは、息子のペースに合わせて生活している私を「狂ってる」と言います。彼女の時代には、赤ちゃんが家族の生活に合わせていたものです。専用のホワイトノイズマシンも、感情を処理するための特別な時間もありませんでした。でも、今の私たちは知りすぎているんです。データがありすぎるのです。親としての心理的なミスを冒してしまう可能性に対して、過剰なほど敏感になっています。
完璧な対応という神話
ネット上には、「正しい言葉がけ(スクリプト)さえ使えば、幼児は突然賢そうに頷いて言うことを聞いてくれる」という考えが蔓延しています。インフルエンサーたちが子どもの目線にしゃがみ込み、穏やかでメロディアスな声で、なぜお友達をプラスチックのスコップで叩いてはいけないのかを説明している動画をよく見かけますよね。そして最後はいつも、甘いハグで終わるんです。

私もその「穏やかでメロディアスな声」を試したことがあります。息子は、私が故障したかのような顔で私を見つめ、その後、スコップで私を叩きました。
私たちは、子どものあらゆる感情を完璧に受け止めようと、自分自身にプレッシャーをかけすぎています。細切れの睡眠で4時間しか眠れず、バナナが折れただけで子どもが泣き叫んでいるとき、常に「優しく見守る母ゾウ」でいることなんて物理的に不可能です。時には、折れたバナナをテープでくっつけて「直ったよ」と嘘をつくことだってあります。テレビをつけて、パントリーに隠れることだってあるんです。
ここでは、私の看護師としてのバックグラウンドが仇となっています。私は何年もの間、患者さんの経過を記録し、明確な因果関係を求めてきました。この薬を投与すれば熱が下がる。このドレッシング材を貼れば傷が治る、というように。でも、子育てはそんな風にはいきません。すべてを正しく行い、優しいルールの通りに接し、世界中のあらゆる精神的な安心感で子どもを包み込んだとしても、彼らは保育園で他の子を噛んでしまう生き物なのです。
マニュアル通りにいかなくても、あなたの失敗ではありません。あなたはただ、前頭葉がまだ「マッシュポテト」みたいな状態の小さな人間と付き合っているだけです。彼らは衝動的で、予測不能で、完全に原始的な本能だけで動いています。酔っ払った小さな人間を相手に、理屈で説得しようとしているようなものなんです。
落としどころを見つける
私はバランスを見つけようと努めています。息子が本当に苦しんでいるときは、いつでも駆けつけます。悪夢を見て起きたなら、私のベッドに引き入れます。でも、犬のエサを食べさせてもらえないからと癇癪を起こしているときは、私がコーヒーを飲み終わるまで、キッチンの床で彼自身の感情を味わってもらいます。
小児科の先生によれば、目に見える「柵(境界線)」があるほうが、子どもは心から安心できるそうです。決して「ダメ」と言わないでいると、世界の果てがどこにあるのか分からず、かえって不安になってしまうのです。だから、私がその「柵」になります。ものすごく疲れていて、カフェインに依存しまくっている柵ですが。
私たちは、ただ言いなりになることなく、優しく接することができます。家全体を踏み荒らされることなく、小さな子ゾウたちを育むことができるんです。それには、たくさんの深呼吸と、幼児と靴を履くかどうかで交渉しているときに、公共の場で周りの目を気にしない度胸が必要です。
もしあなたが今、この泥臭くて感情をすり減らす子育てスタイルの真っ只中にいて、本気で心の平穏を支えてくれるアイテムを必要としているなら、お子さんが目を覚ます前に、当店のベビーエッセンシャル(必需品)をチェックしてみてください。
エレファント・アプローチに関するよくある質問
エレファント・ペアレンティングってそもそも何?
子どもに高い反応を示し、感情に寄り添う子育てを指すトレンド用語です。アタッチメント・ペアレンティング(愛着子育て)のPR戦略が上手くなったバージョンだと思ってください。厳しいルールや早期の自立よりも、子どもの快適さと心の安心感を優先します。基本的には、タイガーマザー(教育ママ)とは真逆のスタイルです。
これで子どもが離れなくなったりしませんか?
おそらく、しばらくの間は離れないでしょう。小児科の先生いわく、早い段階で安心できる愛着関係を築くことで、「安全な戻る場所」があることを知るため、将来的にはむしろ自立心が育つそうです。一人でトイレにも行けない日々が続くと疑いたくなる日もありますが、科学的にはこれが実証されているそうです。
正しく実践するには添い寝をしないといけませんか?
絶対にそんなことはありません。睡眠不足で幻覚を見るのを防げるなら、どんな方法でも構いません。「すぐに応えること」は、小さな蹴りを入れる独裁者と枕を共有しなければならないという意味ではありません。赤ちゃんがベビーベッドで寝ていて、あなたを必要としたときに応えてあげているなら、それで十分素晴らしいのです。
ベビー用品でゾウ(鼻)のモチーフが人気なのはなぜ?
優しさの中に強さがあり、家族の絆、そして共感を象徴しているからです。それに、くすんだ水彩画タッチで描かれるとすごく可愛いですよね。今みんなが大好きな、オーガニックで話題の「サッド・ベージュ(くすみカラー)」の世界観にぴったりなんです。
意地悪にならずにしつけをするには?
境界線を設定し、それに対して子どもが怒るのをそのままにしてあげます。怒鳴る必要はありませんが、親が折れる必要もありません。もしおもちゃを投げたら、そのおもちゃは片付けます。子どもは泣くでしょう。おもちゃがなくなって悲しいという気持ちは受け止めますが、おもちゃは戻しません。体力は消耗しますが、最終的には効果があります。





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