6ヶ月前のトムへ。君は今、すきま風が吹くヴィクトリア朝様式のテラスハウスの狭い廊下で、セーターを汗だくにしながら、イーヴィーの左腕をフリース裏地のスノースーツに押し込もうと奮闘しているところだろう。アイラはすでに着替えを終え、分厚い防寒具に包まれた動けないヒトデのようにラグの上に転がり、自分の熱気で静かに茹で上がっている。君は『Baby, It's Cold Outside(外は寒いよ)』の歌詞を小声でハミングしているけれど、その言葉が単なる昔のホリデーソングではなく、君の平穏な日々を奪うことになる「赤ちゃんの体温調節」という恐ろしい医学的現実であることには、まだ気づいていない。
気持ちのいい秋の散歩の準備をしているつもりかもしれないが、実際には「熱力学的な不安と闘うためのマスタークラス」の準備をしているんだ。
どんよりとした真冬の寒さの中からこの手紙を書いているのは、君が深夜にネット検索をしまくったり、赤ちゃんのパッとしない手の色を見て「青ざめすぎじゃないか」「いや、イギリスの冬なら普通だ」と妻と3回は言い争ったりするのを防ぐためだ。その玄関のドアを開ける前に、どうしても知っておくべきことを伝えておこう。
「プラス1枚の法則」は頭を悩ませるけれど、実は本当
我が家の保健師さんは、これまで何千人もの頼りない父親を見てきたであろう、ちょっとやそっとじゃ動じないオーラを放つ女性だ。彼女はリビングに座り、「赤ちゃんはうまく震えて熱を作り出すことができないのよ」と教えてくれた。どうやら、赤ちゃんの頭部は体表面積全体の約20%を占めるらしい(読んでいない生物の教科書に載っていそうな恐ろしい統計だ)。つまり、そのツルツルの小さな頭からは、2月の朝に淹れたての紅茶よりも早く熱が奪われていくということだ。
彼女は「プラス1枚の法則」に従うように言った。自分が快適に過ごせる服装に「プラス1枚」したものが、双子にとって必要な重ね着の枚数だという。
簡単そうに聞こえるかもしれないが、イーヴィーは暑がりで、フリースを着せると生きたまま丸焼きにされているかのように嫌がるし、アイラは稼働中のピザ窯の中で寝ていても足先が冷たいままという事実を知ると、そう単純ではないことがわかる。君はベースレイヤー(肌着)の計算に何時間も費やすことになるだろう。安物の合成繊維を着せると、ベビーカーの中で汗をかき、その汗が肌に触れて氷のように冷たくなる。そこまで気温が低くなくても、低体温症はこうして始まるらしい。
結局のところ、私はあれこれ悩むのをやめて、オーガニックコットン ベビーボディスーツを何着もまとめ買いした。正直に言うと、睡眠不足でワラにもすがる思いで買ったのだが、これがまさに求めていた役割を果たしてくれた。肌にぴったりとフィットし、熱が逃げやすい大きな頭もすっぽりとおさまる伸縮性のおかげで、着替えのときもパニックにならない。カフェまでの10分の道のりでイーヴィーが案の定オーバーヒートしても、オーガニックコットンがしっかりと汗を吸収してくれる。赤ちゃんの首の後ろに冷たい指を入れて「汗をかいていないか」と何度も確認する不安から解放してくれた、唯一のベースレイヤーだ。
モコモコのダウンコートが引き起こす、命に関わる危険な物理学
これから君が経験する、笑えないエピソードを話そう。ミシュランマンのような、可愛らしいモコモコのダウンジャケットを2着買う。格闘しながら娘たちにそれを着せる。車まで運び、チャイルドシートに座らせてハーネスをきつく締める。「自分は子どもたちをしっかり守れる立派な親だ」と誇らしい気持ちになるだろう。

ところが、生後6ヶ月の健診で、お医者さんは悲しげな保護犬に向けるような哀れみの目で君を見つめ、「それって、ベルトをせずに赤ちゃんを乗せて運転しているのと同じですよ」と説明するんだ。
私はそんなこと全く知らなかった。事故が起きた時、冬用コートのあの可愛らしいフワフワの詰め物は、一瞬でペチャンコに圧縮されてしまう。きつく締めたと思っていたハーネスは、2歳児がシートから激しく放り出されるほど緩くなってしまうのだ。その説明を聞いたとき、私は足元から崩れ落ちるようなショックを受けた。だから今のルーティンはこうだ。コートを着せたまま凍えるような車まで運び、コートを脱がせ、泣き叫ぶ子どもに「ごめんね」とささやきながら、氷のように冷たいチャイルドシートにベルトで固定する。そして、腕の上からコートを前後逆にかけてあげるのだ。ちょっとした拘束衣のような奇妙な姿になるし、準備の手間もかかる上に子どもたちは大嫌いだが、少なくともフロントガラスから飛び出してしまうことはない。
もし冬の天候に心から納得できるウェアを探しているなら、危険な化繊のモコモコではなく、通気性の良いレイヤリング(重ね着)にこだわったKianao(キアナオ)のオーガニックベビー服コレクションをぜひチェックしてみてほしい。
ベビーカーの「温室効果」
他の親がよくやっている行動を知っているだろうか?風が強くなってきたからといって、赤ちゃんを温かく保つために、分厚くて綺麗なニットのおくるみでベビーカーの開口部を完全に覆ってしまうあれだ。絶対にやってはいけない。

私も一度だけ試したことがある。なんて機転が利くんだと自画自賛したものだ。しかし、お医者さんからきつく注意された。ベビーカーに分厚いブランケットを被せると、空気の通り道が完全に塞がれてしまい、淀んだ空気の「小さな温室」ができてしまう。これが乳幼児突然死症候群(SIDS)や窒息のリスクを劇的に高めるというのだ。確かに風は防げるが、酸素まで遮断してしまう。
代わりに、ベビーカーのサイズに合った専用のレインカバーや防風カバー(ウェザーシールド)を使うべきだ。どうしてもブランケットを使わなければならない場合は、赤ちゃんの脇の下より上にこないよう、しっかりと押し込んで固定すること。我が家は最終的に、ブルーフラワー スピリット バンブーブランケットを購入した。これは素晴らしい。青い花柄が描かれたブランケットで、まさにブランケットとしての役割を完璧に果たしてくれる。竹繊維(バンブー)で織られているため信じられないほど通気性が良く、私がスマホに目を落としている隙に娘が顔の上まで引っ張り上げてしまったとしても(実際によくあることだ)、通気性のないフリースの壁に阻まれて即座に窒息するような事態にはならない。
あと、もし赤ちゃんの肌が真っ赤になって冷たくなったり、呼びかけに全く反応しなくなったりしたら、すぐに救急外来(A&E)に駆け込むこと。それは本当の低体温症のサインだから。
冬の室内は、過酷な砂漠と同じ
公園への散歩を無事に乗り切ったからといって、室内が安全とは限らない。部屋の温度計は嘘をつくし、セントラルヒーティング(暖房)は子どもたちの肌を本気で破壊しようと狙っている。
子供部屋にすきま風を感じるからといって、暖房の設定温度を上げたくなるかもしれない。でも、やってはいけない。暑すぎる部屋はSIDSの最大のリスク要因のひとつだ。育児書の47ページに「何が何でも赤ちゃんを温かく保つこと」と書かれていることを考えると、全く逆の行動に思えるだろう。理想的な室温は18℃(約65°F)前後らしいが、年齢を重ね、睡眠不足の私の体には、まるで精肉工場の冷凍庫のように感じられる。赤ちゃんにはTOG(保温性)表示のある着るタイプのスリーパーを着せ、外れやすいブランケットは戸棚の奥にしまい、自分自身は分厚いセーターを着て寝るのが正解だ。
さらに、暖房は空気中の水分を容赦無く奪い去る。12月中旬には、イーヴィーの頬は紙やすりでこすったかのようにガサガサになり始めた。そして神様はタチの悪い冗談がお好きなようで、まさにそんなタイミングで奥歯が生え始めるのだ。
凍えるほど寒い家の中で、風に吹かれて肌が荒れた赤ちゃんたちが、痛みに耐えかねて自分の手を噛んでいる。我々は最終的に、散歩に出る前の10分間、パンダの歯固め(ティーザー)を冷蔵庫に放り込むことにした。食品衛生基準をクリアしたシリコン製なのでほどよく冷たくなり、ベビーカーの中でキンキンに冷えたパンダの頭をかじらせていると、11月のロンドンでみぞれが降っているという現実から気を逸らすことができたようだ。
とにかくこれだけは覚えておいてほしい。重ね着をすること、チャイルドシートではコートを脱がせること。そして、ここから4ヶ月間、家を出るには小規模な軍事作戦並みの段取りが必要になるという現実を受け入れること。健闘を祈る。
厳しい冬の寒さに立ち向かう前に、安全で温かい冬用レイヤーや必須アイテムをこちらで揃えておこう。
パニックに陥りがちな「よくある質問」
赤ちゃんを外に連れ出すのに「寒すぎる」基準は?
正直なところ、氷点下で冷たい風が吹いている日は、コーヒーや解熱鎮痛剤(カルポル)が完全に切れていない限り、無理に出かけることはしない。公式なガイドラインでは20°F(約-6℃)を下回ると乳幼児には危険だとされているが、私の個人的な限界は「自分の顔が痛くなる温度」だ。もし外出する場合は15分以内に留め、赤ちゃんの首の後ろをこまめに確認し、不機嫌そうな顔をしていたらすぐにミッションを中止しよう。
車での移動中、スノースーツを着せたままでもいい?
絶対にダメだ。これはいくら強調しても足りない。冬用コートの詰め物は、事故の衝撃で圧縮されてしまう。きつく締めているつもりでも、実際には赤ちゃんの体から数センチも浮いている状態になってしまうのだ。コートを脱がせ、ベルトをきつく締めてから、膝の上にブランケットをかけてあげよう。確かに泣き叫ぶかもしれないが、車から投げ出されてしまうよりはずっといいだろう。
ベビーカーでオーバーヒートしているかを見分ける方法は?
手足の冷たさで判断するのはやめよう。赤ちゃんは血流のコントロールが未熟なので、手足の先はいつも奇妙なほど冷たいものだ。代わりに、首の後ろや胸元に指を2本入れてみてほしい。もし熱く、汗ばんでいるように感じたら、たとえ歩道の真ん中であっても、すぐに服を1枚脱がせる必要がある。
寝るときに帽子をかぶせるべき?
絶対にやめてほしい。確かに赤ちゃんは頭から熱を逃がすが、それはオーバーヒートを防ぎ、体温を安定させるためのメカニズムでもあるのだ。室内での帽子、特に睡眠中の着用は、SIDSの大きなリスクになる。かわいいポンポン付きのニット帽は公園に行くときのためにとっておき、夜はそのツルツルの小さな頭でしっかり呼吸させてあげよう。
冬の乾燥した頬の最高のケア方法は?
毎日お風呂に入れるのをやめよう。硬水とセントラルヒーティングの組み合わせは、赤ちゃんの肌のバリア機能を破壊してしまう。我が家は、ぬるま湯での短いお風呂を週2回に減らし、外出前には化学物質を含まない濃厚なバリアクリームを顔にたっぷり塗るようにした。テカテカの顔にはなるが、風による肌荒れは防ぐことができる。





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