午前2時、私は廊下に立っていました。娘のマヤは顔を真っ赤にして、こちらの「闘争・逃走本能」を刺激するような声で泣き叫んでいます。私の手には、まるで巨大なレシートのように長い5メートルのリネン生地。夫は寝たふりをしていました。これが、私と「織りベビーラップ(ベビーラップ)」との出会いの瞬間でした。

最初の3ヶ月間は、よく伸びるストレッチタイプのラップを使っていました。小児科に行けば、流行りのストレッチラップを使っているママをたくさん見かけますし、SNSでもすごく素敵に見えますよね。赤ちゃんがジャガイモの袋みたいにただ眠ってくれている間は、本当に完璧なんです。でも、マヤの体重が7キロを超えた頃から事態は一変。あんなにしっかり支えてくれていたラップが、突然伸びきったストッキングのようにたるみ始めました。娘は私の膝のあたりでブラブラぶら下がり、私の腰はまるで病棟で12時間の夜勤をこなした後のように悲鳴を上げていました。このたるみ、本当に許せません。

私には「構造的な強度」が必要でした。織物(布帛)のラップなら縦に伸びず、しっかりと形を保ってくれます。でも、ベビーラップを買って使いこなすには、家を買うときと同じくらいのリサーチが必要だったんです。

ベースサイズという謎のルール

最初にぶつかる壁が「サイズ表」です。これが本当に意味不明なんです。ベビーウェアリング(抱っこ)界隈の人たちは、まるで星座占いでも語るように「ベースサイズ」について話します。ベースサイズというのは、要するに「標準的な前抱きをするために必要な布の長さ」のことです。

普段Mサイズの服を着ている私のベースサイズは「サイズ6」だそうです。サイズ6のラップは長さが4.6メートルもあります。シカゴの狭いアパートで4.6メートルがどれだけ長いか想像できますか?リビングで引きずったら、キッチンのカウンターまで届いてしまいました。実際に体に巻きつけるまでは、ただただ馬鹿げているように感じました。

次は生地の「厚さ(重さ)」です。GSM(1平方メートルあたりのグラム数)という単位で測るのですが、産後の寝不足の母親に計算をさせようと決めたのは一体誰なんでしょうね。中厚手のものは大体220〜260 GSMくらいです。厚手のものはリビングのラグみたいだし、薄手のものは鎖骨に食い込んで痛そうだったので、私はただ中厚手のものを選びました。結果的に、中厚手で大正解でした。

この狂気のリサーチから得た私のアドバイスを1つだけ聞いてくれるなら、これだけは覚えておいてください。「上下の縁(レール)の色が違うラップを買うこと」。上と下の縁が別の色になっているものがベストです。寝不足の頭で鏡を見つめ、「なんでこの布は私の首を絞めてるの?」と悩むとき、色分けされていることが本当に救いになります。青い縁が緑の縁とねじれていたら、直すだけ。誰にでもできるくらい簡単になります。

まずは「動かないもの」で練習を

Tired mother practicing front cross carry with a woven baby wrap and a stuffed bear in her living room

いいですか、本物の赤ちゃんで巻き方の練習をしてはいけません。赤ちゃんはこちらの焦りを敏感に察知します。もぞもぞ動いて泣き叫び、ママを冷や汗でびっしょりにさせてしまいます。

私は、ベビーシャワーで叔母からもらった巨大なクマのぬいぐるみを使いました。姿見の前に立つその姿は、客観的に見たらかなりヤバかったと思います。看護学校時代にCPR(心肺蘇生)のダミー人形で胸骨圧迫の練習をしたときの感覚そのものでした。この方程式に「壊れやすい小さな人間」を組み込む前に、まずは筋肉に動きを覚え込ませる必要があるんです。

気道確保へのパラノイア(偏執狂)

生後2ヶ月の健診で、小児科の先生がある「頭文字」を早口で教えてくれました。これは抱っこ紐を使っている間、赤ちゃんの呼吸を確保するためのチェックポイントです。病院での実習時代、常にバイタルをチェックし、赤ちゃんの気道確保に神経を尖らせていたことを思い出しました。

The airway paranoia — How to survive a woven baby wrap without losing your mind

その頭文字とは「TICKS(ティックス)」です。おそらく、私がこれまで覚えた中で最も役立っている暗記法ですね。

  • Tight(ぴったり密着): 布が緩いと赤ちゃんがぐったりと沈み込み、ママの腰が悲鳴を上げます。オーダーメイドの包帯のように、ぴったりとフィットさせる必要があります。
  • In view(顔が見える): 目線を下げただけで赤ちゃんの顔が見えなければ、その抱き方は間違っています。
  • Close enough to kiss(キスできる距離): 赤ちゃんの頭は、ママの胸の高い位置になければいけません。ミルクの匂いを感じられないなら、巻く位置が低すぎます。
  • Keep chin off chest(あごを胸から離す): これが一番重要です。赤ちゃんの気道を塞がないよう、あごと胸の間には常に「指2本分」の隙間を空けてください。
  • Supported back(背中のサポート): 赤ちゃんの背中は、自然な「Cの字」カーブを描くように支えてあげます。

そして「M字姿勢」です。小児科に行くたび、先生はマヤの股関節をチェックしました。股関節形成不全は本当に起こり得る深刻な問題です。抱っこするときは、赤ちゃんの膝がお尻よりも高い位置にくる「M字姿勢」を保つ必要があります。実は、ベビーラップはこの姿勢を作るのに最適なんです。布を赤ちゃんの膝裏までしっかりと引き上げるだけで、関節がソケットにぴったり収まる理想的な位置に固定されます。小児科の先生も「この抱き方が一番理想的だ」と言っていましたが、本当にその通りだと思います。

ネットの過剰な情報は無視する

森の中でふんわりとしたリネンのドレスを着たインフルエンサーが、複雑な結び方を披露している動画を3時間も見続けてしまったことがありますが、あんなものは全く必要ありません。

覚えるべき巻き方は1つだけです。「フロント・ラップ・クロス・キャリー」と呼ばれるものです。(何でも略したがる界隈なので、「FWCC」と呼ばれています)。これさえ覚えれば大丈夫。背中で布を交差させ、肩越しに前に回して赤ちゃんが入るポケットを作り、結ぶだけ。おしゃれなおんぶや、腰抱きのテクニックなんて忘れましょう。私が求めているのは、コーヒーを淹れる間だけ子供に静かにしてもらうこと。FWCCならその役目を完璧に果たしてくれます。

おんぶについては語るつもりすらありません。怖すぎるので私は絶対にやりません。次に行きましょう。

温度調節の問題

ベビーラップは暑いです。ただでさえ小さな暖房器具のように温かい赤ちゃんに、目の詰まった布を3重に巻きつけるわけですから、あっという間に汗だくになります。

The temperature problem — How to survive a woven baby wrap without losing your mind

赤ちゃんの「温めすぎ」は、SIDS(乳幼児突然死症候群)の大きなリスク要因です。厚手の抱っこ紐の中でフリース素材のカバーオールを着せている親御さんを見かけることがありますが、あれでは赤ちゃんをじっくり煮込んでいるようなものです。マヤを室内でラップに入れるときは、おむつと薄手のコットンボディスーツ1枚。それだけです。

冬に外出するときでも、ラップの中でスノースーツ(防寒着)は着せません。生地が厚すぎますし、モコモコした冬服の上からではラップをしっかり引き締めることができないからです。代わりに、普段の室内着のままラップで抱っこし、私自身の大きめのコートで2人をすっぽり覆ってから、露出している部分にブランケットを掛けます。

まさにこの目的のために、私はオーガニックコットン ベビーブランケット(リス柄)にちょっと夢中になっています。120x120cmの大きめなオーガニックコットンの正方形ブランケットで、主張しすぎないのに絶妙に可愛いリス柄がお気に入りです。近所のコンビニまで歩くとき、ラップの肩紐にブランケットの角を挟み込むだけで風よけになりますし、洗濯してもきれいなまま。正直、私たちが持っている育児グッズの中で一番役に立っています。

義母からはバンブー ベビーブランケット(スワン柄)もプレゼントされました。これも素敵です。私の普段のスタイルには少しピンクすぎる気もしますが、バンブー素材は通気性が抜群で、義母が「部屋が寒すぎる!」と心配する室内で使うのにぴったりです。授乳中にはショールのように肩から掛けて使っています。

風の強い日に、抱っこ紐の上から掛けられる通気性の良いブランケットをお探しですか?ぜひ私たちのオーガニックベビーブランケットのフルコレクションをご覧ください。

産後の心境の変化

習得への道のりは過酷でした。最初の3回は、うまく巻けずに泣き出してしまうほど。でも、正直に言ってその効果は絶大でした。

午前3時のネットサーフィンで、HunzikerとBarrという研究者の論文を読みました。それによると、「1日3時間赤ちゃんを抱っこすると、泣く時間が半分に減る」というのです。きっちり51%減ったかどうかはわかりませんが、マヤは本当に泣き叫ばなくなりました。ピタッと止まったんです。

肌と肌が触れ合うことで、私の中にも大量のオキシトシン(幸せホルモン)が分泌されました。それは、自分でも気づかないうちに落ちていた「産後の暗い穴」から私を引っ張り上げてくれました。胸元に娘を安全に密着させながら、両手は完全に自由。哺乳瓶を洗ったり、立ったままトーストをかじったりできることが、まるで大きな勝利のように感じられました。不思議な感覚ですが、「自分の体を取り戻せた」ような気がしたんです。

ぜひ、上質な布のベビーラップを手に入れてください。おむつバッグにはバンブー ベビーブランケット(カラフルリーフ柄)を忍ばせておいて、ラップから赤ちゃんを降ろしたときにサッと使えるようにしましょう。そして、ぬいぐるみを使って20分間だけ練習してみてください。きっと、あなたの心の平穏を救ってくれるはずです。

よく聞かれる質問

ベビーラップは新生児でも安全ですか?

はい。ただし、気道確保には神経質になる必要があります。新生児は首が座っていないので、あごが胸に落ちてしまいがちです。常に高い位置をキープして、呼吸ができているか頻繁に確認してください。もし赤ちゃんがエビのように丸まって布の底に沈んでいたら、一度解いて最初から巻き直してください。

どれくらいの時間、抱っこしていてもいいですか?

小児科の先生は「ママも赤ちゃんも無理のない範囲ならいくらでも」と言っていました。マヤは4時間ぶっ通しでラップの中で過ごした日もあります。おむつ替えや授乳のときだけ降ろしてあげれば大丈夫です。もしママの腰が悲鳴を上げ始めたら、お休みしてください。これはマラソンではありませんからね。

使う前に洗う必要はありますか?

絶対に洗ってください。織り上がったばかりの布は少し硬さがあります。洗って乾かすことで繊維がほぐれ、布を引き締めたり結んだりするのが格段に楽になります。これを「ブレイクイン(馴染ませる)」と呼びます。ただし、柔軟剤は使わないでください。布が滑りやすくなってしまいます。

ベビーラップの中で授乳できますか?

できると言う人もいますが、私は習得できませんでした。結び目を緩めて赤ちゃんを下にずらし、授乳しつつ、赤ちゃんが落ちないようにテンション(張り)を保つ必要があります。私にとっては、一度ラップから降ろしてソファで授乳し、また巻き直す方が簡単でした。ご自身が「泣きたくならない」方法を選ぶのが一番です。

ベビーラップはいつ頃サイズアウトしますか?

実は、サイズアウトはしません。ベビーラップは18キロくらいまでの幼児でも支えることができます。布がダメになる前に、ママの腰の限界が来るはずです。うちは娘が2歳になる頃に、私の視界(足元)が遮られるようになってきたので前抱きはやめましたが、ラップ自体はまだまだ現役で使える状態でした。