搾乳器のデジタル時計をじっと見つめています。極寒のシカゴの夜中3時14分、ミシガン湖から吹きつける風で窓ガラスがガタガタ鳴る中、「射乳反射(しゃにゅうはんしゃ)」って何だったっけ…と私の記憶はすっ飛んでいます。看護学校で4年学び、ルリー小児病院の病棟で6年働いたというのに、生後4日の娘が2回連続でくしゃみをしただけで、医者のいとこに半狂乱でメールを送っている私。当の娘はベビーベッドに横たわり、「私はただの赤ちゃんなのに、ママはどうしてそんなにパニックになってるの?」と言わんばかりに、その黒くてとろんとした瞳で私を見上げています。
以前の私は、新米パパやママに退院時のきれいなパンフレットを配り、「赤ちゃんが欲しがる時に授乳して、赤ちゃんが寝ている時に一緒に休んでくださいね」なんて伝えていました。毎晩8時間ぐっすり眠れる女性ならではの、何の疑いもない穏やかな自信に満ちた態度で。新米ママに伝えるそういう言葉が、いかに現実離れしているか…今となっては罪深くさえ感じます。
小児科病棟では、泣き叫ぶ赤ちゃんは解決すべき臨床的なパズルにすぎません。バイタルをチェックし、カルテを見て、どんな処置をするか判断するだけ。でも自宅では、自分自身の生理的限界との全面戦争です。悪露(おろ)は続き、ホルモンの波で滝のように汗をかきながら、母乳と純粋な不安だけで動く、この体重3キロ弱の小さな「独裁者」を見つめているのです。自分がこの部屋で唯一の「大人」なのだと気づく瞬間、どんな事前知識も全く役に立たないと思い知らされます。
病院での自信は、産後2日目で消え去りました
自分の子どもを持つ前、私は「魔の3ヶ月(フォース・トリメスター)」について理解しているつもりでした。文献も読んでいたし、胎内から外界へ移行する生物学的なメカニズムも知っていました。担当医は「赤ちゃんは1日16時間寝ますよ」と軽く言いましたが、それが「小さな体の血糖値を下げないために母乳を欲しがり、40分刻みの細切れ睡眠でママを苦しめながら」だとは、教えてくれませんでした。
「新生児にはサーカディアンリズム(体内時計)がない」と言われますが、これは「赤ちゃんは私たちを困らせ、苦しめたいのだ」という事実を医学的に丁寧な言葉で表現しているだけです。黄昏泣き(コリック)は神経系の未発達が原因だと言われています。でも正直なところ、午後5時30分に夫が玄関の鍵を開けた瞬間にピタリと泣き叫び始めるのは、何か個人的な嫌がらせのように感じてしまいます。神様仏様に祈りながら、廊下を行ったり来たりして赤ちゃんをあやし、誰もが本能的にやってしまうあの強めの「シーッ、シーッ」という音を出してしまうのです。
おくるみ(スワドル)については、本当に発狂しそうになりました。昔は、色あせたピンクと青のストライプが入った硬い病院のおくるみを使って、未熟児の赤ちゃんをわずか6秒で完璧な「ブリトー」みたいにピシッと包むことができました。私はおくるみの達人だったんです。でも、自分の子どもとなると話は別。暗闇の中で、油を塗った子豚と格闘しているような状態です。左腕を固定したら、右腕で私の喉をパンチしてくる。お尻を固定したら、マジシャンみたいに下から蹴り出して抜け出してしまう。3週間、おくるみと格闘して泣きべそをかいた後、自分のスキルの喪失を嘆きながら、ついに諦めてマジックテープ式のものを買いました。
もう、おしゃぶりを50個買って、パンくずみたいに家中にばらまいておけばいいんです。
赤ちゃんのデリケートな肌に直接触れるもの
義母が買ってくれた、とても高価で、とてもゴワゴワした化学繊維の服を着せて娘を家に連れて帰りました。小さなチュールのフリルや背中にパールのボタンが付いている、ちょっと現実離れしたデザインでした。2日目には、娘の肌は紙やすりのようになってしまいました。担当医は肩をすくめ、その服を見て、接触性皮膚炎や新生児の皮膚バリアの透過性について何かモゴモゴと言っていました。

私はその服をクローゼットの奥に放り込み、すべてKianao(キアナオ)のオーガニックコットン ベビーボディスーツに変えました。余計な装飾がなく、持っているベビー服の中で断トツでお気に入りです。おくるみの下でゴワつく無意味なフリルもないし、仰向けに寝たときに背骨に食い込むボタンもありません。柔らかくて無着色の生地で、肩の部分が重なったエンベロープネックのおかげで、娘の大きな頭もすんなり通せます。最初の3ヶ月は、ほぼこれだけで過ごしました。数え切れないほどのウンチの背中モレを乗り越え、1日おきにお湯で洗濯機にかけても、バターのように滑らかな肌触りのままでした。新生児のお世話をしている時は、「育児のハードルを上げないアイテム」というだけで大正解なのです。
それから、姉がプレゼントしてくれた木製レインボープレイジム。これも悪くありません。電子音のサーカス音楽が鳴るようなド派手なプラスチックの塊より、リビングに置いてもずっとおしゃれです。木は滑らかにヤスリがけされていて、ぶら下がっている小さな動物たちもキュート。でも、娘は遊び方を理解するまでの3ヶ月間、ただ寝転がってゾウをボーッと見つめているだけでした。ミニマルなデザインが好きなら買ってもいいけれど、温かいコーヒーを飲むための1時間の自由時間を魔法のように生み出してくれると期待してはいけません。
怒って泣き叫ぶ新生児から化学繊維の服を脱がせるのにうんざりしているなら、Kianaoのオーガニックウェア コレクションを覗いてみてください。
小さな「独裁者」への授乳
母乳は、中耳炎から擦りむいた膝まで何でも治す魔法の薬だと教えられました。そうなのかもしれませんが、担当医が「少し乳製品アレルギーがあるのかも」とさりげなく指摘するまで、娘の緑色の爆発的なウンチを丸1ヶ月も引き起こした原因でもありました。特に赤ちゃんの消化に関して言えば、科学なんて自信満々な推測にすぎないことも多いのです。
太陽が昇る前から、あかぎれだらけの手を刺激の強い殺菌石鹸で洗いながら哺乳瓶を温め、赤ちゃんが空気を飲み込みすぎないように祈る日々。ゲップをさせる作業なんて、まるで中世の拷問です。ほんの小さな空気の泡を飲み込んだだけで、盲腸が破裂したかのように泣き叫び、大人は手首が痛くなるまで赤ちゃんの華奢な背中をトントンし続けます。時には、体重の半分くらいあるんじゃないかという量のミルクを、唯一のきれいなシャツに吐き戻されることも。それでも、ゲップ用クロス(バープクロス)でサッと拭き取って、また育児を続けるしかないのです。
歯固めの悪夢は早くやってくる
新生児期という泥沼の戦いをようやく生き抜いたと思いきや。3時間続けて眠れるようになり、マスカラを塗る余裕すら出てきた頃。生後4ヶ月に突入すると、壊れた蛇口のようにヨダレが流れ出し、またすべてが地獄に逆戻りします。

クリニックで歯ぐずりする赤ちゃんを数え切れないほど見てきました。だから、私はそういうドタバタには完全に免疫があると思っていたんです。でも、自分の子どもが小さなゾンビのように私の鎖骨をかじり始めた時は別でした。娘の頬は常に真っ赤で、睡眠のリズムも新生児期に逆戻り。腫れた歯茎に吸着するのが痛いらしく、哺乳瓶も拒否するようになりました。
藁にもすがる思いで手に入れたのが、シリコン製パンダの歯固め(ティーザー)でした。実はこれ、食品グレードのシリコンで作られた一体型なので本当に助かりました。ベビー用品で私が一番恐怖を感じる「カビが生えやすい隠れた溝」が一切ないんです。食洗機の除菌モードに放り込んだり、冷蔵庫に10分間入れて冷やしたりするだけ。背中部分の凹凸が、フラットなリング型の歯固めよりも、生え始めの歯にしっかり届いているようでした。必要な役割をしっかり果たしてくれる、とても優秀なアイテムです。
正気を保つために
「子育てには村が必要(村中のみんなで育てる)」という概念は、もう完全に終わっています。現代の子育てにおける「村」とは、自分自身と疲れ果てたパートナー、そしてお気に入りの少し割高なフードデリバリーアプリのことです。私たちは完全に孤立した状態で育児をしていて、夜中の2時にスマホを睨みながら、「他の人はみんな、私たちが知らない秘密の裏技を知っているに違いない」と思い込んでいるのです。
誰もが「カンガルーケア(スキンシップ)」を、まるで贅沢なスパのトリートメントのように語ります。でも私の経験上、素肌の胸の上で小さな「不安定なストーブ」が寝ている間、ひたすら滝のように汗をかいているだけでした。少し体重を移動させたり深呼吸したりするだけで起こしてしまうのではないかと、ビクビクしながら。それでも、生理学的な効果は否定できません。赤ちゃんの不規則な呼吸が安定し、心拍数が下がり、どういうわけか、血圧が跳ね上がっていた自分自身も落ち着いてくるのです。
育児では、理想のハードルを下げることを学びます。母親にとって「完璧主義」は病気のようなもの。かつて私は、シミのついたちぐはぐなパジャマを着せた赤ちゃんをクリニックに連れてくる親たちを内心批判していました。でも今ならわかります。あの親たちは、ただ生き抜いていたのです。最前線で戦っていたんです。赤ちゃんがいる時、親はただ「もう一人の人間を明日の朝まで生かしておこうと必死な人間」にすぎないのです。
もし、完全に気が狂ってしまう前に赤ちゃんの基本アイテムを見直したいなら、Kianaoのベビー・エッセンシャル(必須アイテム)をチェックしてみてください。さて、ここからは、午前4時にあなたが必死でググっているであろう疑問にお答えしましょう。
深夜の緊急SOS・Q&A
新生児が一晩中、イノシシみたいにフガフガ言っているのはなぜ?
体幹の筋力がゼロで、消化管もまだ新品だからです。文字通り、ウンチの出し方を学んでいる最中なのです。これは「動睡眠」と呼ばれるもので、その間、家畜小屋の動物みたいな音を出します。顔が青紫色になったり、小鼻をピクピクさせて苦しそうにしていなければ、耳栓をして無視するようにしてください。
寝ている赤ちゃんをわざわざ起こしてまで授乳する必要はある?
私の担当医は、娘が生まれた時の体重に戻るまでそうするように指示しました。すやすや眠っている赤ちゃんを起こすなんて人道に対する罪のように感じますが、赤ちゃんの血糖値が下がってしまう危険があるからです。でも、その目標体重をクリアしたら、そのまま寝かせてあげて。起こさなくて大丈夫。赤ちゃんが欲しがって泣くまで、寝かせておきましょう。
黄昏泣き(コリック)って、ぶっちゃけいつまで続くの?
大体、夕食の時間から、あなたが「もう家を出て二度と戻りたくない」と思う時間まで続きます。生後6週間頃がピークで、大体3〜4ヶ月頃にはフェードアウトしていきます。これはもう、耐え抜くしかありません。バランスボールで弾んだり、揺らしたり、外の冷たい空気を吸いに出たりしてみてください。温度変化のショックで泣き止むこともありますよ。
抱っこしすぎると、新生児でも甘えん坊になる?
なりません。「歯茎にウイスキーを塗るのが医療行為だ」と信じていた世代の古臭いアドバイスです。自分の手が自分の体の一部だとすら分かっていない生き物を、甘やかすことなんてできません。迷わず抱っこしてあげてください。
赤ちゃんの皮膚がヘビみたいにポロポロ剥けてくるのはなぜ?
9ヶ月間も羊水に浸かっていたのに、急に乾燥した空気にさらされたからです。これはごく普通のこと(新生児落屑)。無理に剥がしたり、こすったりしないでください。自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。気になるなら無香料のローションを少し塗ってもいいですが、大抵は1〜2週間ほどで落ち着きます。





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