去年の4月の私(プリヤ)へ。

今、あなたはシカゴの湿った芝生の上で、片手に草刈り機、もう片手には食べかけのさけるチーズを持ったまま立ち尽くしているわね。背中の抱っこ紐の中にいる子どもは、パティオのどこかでおしゃぶりを落としてしまってぐずっている。フェンス沿いの高い雑草をかき分けたあなたは、土の浅いくぼみの中でモゾモゾとうごめく、灰色の毛玉たちを見つけたばかり。ねえ、まずは深呼吸して。あなたはこれから、しなくてもいい失敗をいくつも重ねることになるのだから。

いい?裏庭を小児ICU(集中治療室)と同じように扱うのが、最初の間違いよ。あなたはラッシュ病院で5年間も小児トリアージを担当していたから、頭がすぐに臨床プロトコルに切り替わってしまうのよね。「気道の確保」「母親による育児放棄の確認」「救護計画の開始」。でも、大自然はあなたの看護師免許なんてお構いなし。人間が介入すればするほど、事態は雪だるま式に悪化していくものなの。

「子ウサギちゃん(バニー)」と呼ぶのはやめて

響きは可愛いけれど、「バニー」と呼ぶのはやめましょう。イースター用のバスケットに入った可愛いぬいぐるみだという、季節のマーケティングが作り出した幻想を強めてしまうだけだから。パニック状態で動物病院のシャルマ先生に電話をかけた時、あなたは何か複雑なラテン語の学名を期待して「赤ちゃんウサギの正式名称は何ですか?」と聞くことになるわ。

先生はため息をついて、たぶん生ぬるいコーヒーでもすすりながら、「キット(kit)」か「キトゥン(kitten)」だと教えてくれるはず。誰に聞くかによって多少違うみたいだけど、獣医の先生はその呼び方に自信を持っているようだったわ。ちなみにメスは「ドウ(doe)」、オスは「バック(buck)」。でも、赤ちゃんウサギの呼び方を知ったところで、お隣のゴールデンレトリバーがフェンスの向こうをウロウロしている中、彼らが無防備に野外に取り残されているという目の前の現実は何も変わらないわよね。

地面の「穴」に対するトリアージ手順

あなたはきっと「お母さんウサギはもう戻ってこない」と思い込むはず。でも、それは違うわ。ERで防犯カメラのように赤ちゃんから片時も離れない不安げな新米ママたちを数え切れないほど見てきたから、ウサギのお母さんも同じようにするはずだと思っちゃうのよね。でも、お母さんウサギが巣に戻るのは1日にたった2回、だいたい明け方と夕方だけ。それは、天敵に赤ちゃんの居場所を悟られないためなの。「親のいない巣」=「育児放棄された巣」とは限らないのよ。

きっと両手で掬い上げて、家の中に連れて入りたくなるはず。でも、絶対にやめて。

用意した靴箱は一旦置いて、代わりに手芸用の引き出しから毛糸を持ってきてちょうだい。巣の上に毛糸を「井」の字(マルバツゲームのマス目)の形に置いて、そこから離れるの。そして12時間後にまた見に来て。もしお母さんが戻ってきていたら、毛糸の形が崩れているはず。原始的で完璧な診断ツールとは言えないけれど、昔お世話になった指導医が「医療の半分は、様子を見守ることだ」と言っていたわよね。これがその「見守る」フェーズよ。

もしどうしてもその日に芝刈りを済ませたいなら、巣の上にプラスチック製の洗濯カゴを被せて、上に重い石を置いておいて。これで芝刈り機の刃や野良犬から赤ちゃんを守れるわ。でも、夕暮れ前には必ずカゴを片付けること。そうしないとお母さんがおっぱいをあげに戻ってこられなくなっちゃうから。

もう少し成長した赤ちゃんウサギについては、タフツ大学の野生動物クリニックの資料で読んだ目安をうっすら覚えているわ。もしそのウサギがソフトボールくらいの大きさで、自分でピョンピョン跳ね回っていて、毛が生え揃って耳がピンと立っているなら、もう心配はいらないわ。だいたい生後3週間くらいで、完全に自立している証拠よ。ひとりで生きていくには小さすぎて不安に見えるかもしれないけれど、そっとしておいてあげて。

野生動物を心配しつつ、我が子の「歯固め」と格闘する

庭の手入れと野生動物の保護の狭間であなたがプチパニックを起こしている間にも、我が子は木製のパティオ家具に齧りつこうとしているわよね。歯ぐきのむず痒さは容赦なくて、親の都合なんて一切お構いなし。ちょうどこの週あたり、私たちはパンダの赤ちゃん用シリコン&バンブー歯固めにかなり助けられていたわ。

Managing human teeth while worrying about animal ones — Note to Self About That Backyard Bunny Incident We Barely Survived

正直言って、この時期に本当に役立ったのはこれだけだったかも。平べったい形をしているから、まだ上手く物を掴めない小さな手でもしっかり握れて、4秒おきに地面に落とすなんてこともなくなったのよ。縁の凹凸が腫れた歯ぐきにちょうど良く当たるみたいだし、食品グレードのシリコン製だから、案の定ウサギの穴の近くに投げ捨てられた時も、そのまま食洗機に放り込むだけでOK。とっても実用的で、子どもを抱っこしながら庭の手入れをする余裕なんてなかったあの日の午後、私の心の平穏を守ってくれた救世主よ。

代用ミルクの大惨事

きっとあなたはスマホで「赤ちゃんウサギ エサ」なんて検索し始めて、母性本能の赴くままに冷蔵庫へ牛乳を取りに走るはず。でも、そこでストップ!牛乳はウサギの消化器官に深刻なダメージを与えてしまうの。それは実質的に、死を意味するわ。

万が一、ペットの赤ちゃんウサギが本当に孤児になってしまって、あなたが助けざるを得ない状況になったら、ヤギのミルクか子猫用の代用ミルク(KMR)を使ってね。そして、必ず体を起こした姿勢で飲ませること。絶対に仰向けにしてはダメよ。気管にミルクが入ると、あっという間に誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうから。人間の未熟児にミルクをあげるのと全く同じ。ただ、もっと体が小さくて、死亡率がずっと高いというだけの話よ。

それにね、あなたがどんなに完璧にお世話をしたとしても、人間に触られるストレスそのもので死んでしまうこともあるの。臨床医学的に言うと「捕獲ミオパチー」。つまり、巨大な人間に抱き上げられた極度の恐怖で、彼らの小さな心臓が耐えきれずに止まってしまうということよ。

飼いウサギの赤ちゃんは、生後3週間になるとアルファルファ牧草やペレットに移行していくの。アルファルファには、骨の成長に必要なカルシウムがたっぷり含まれているからね。そして生後7ヶ月頃にはチモシー牧草に切り替えるの。大人のウサギにアルファルファを与え続けると、痛みを伴う膀胱結石の原因になってしまうから。土の浅いくぼみで繁殖する動物の割には、信じられないほど繊細な体の仕組みをしているわよね。

その日の朝、私はクローゼットにあった適当な服を引っ張り出して着ていたけれど、息子はオーガニックコットン ベビー用ノースリーブボディスーツ(ロンパース)を着せていたの。これが本当に優秀なアイテムでね。シカゴの湿っぽい春でもオーガニックコットンは通気性が抜群だし、程よくストレッチが効いているから、プロレス状態にならなくてもサッと着せられるのよ。無染色の生地は彼の軽い湿疹にも優しいし、私が芝生に膝をついて奮闘している間、息子の服は泥とタンポポの汁まみれになったけれど、洗濯したらスッキリ綺麗に落ちたわ。屋外でのドタバタ劇には欠かせない、頼もしい肌着ね。

「生きたぬいぐるみ」という幻想と、脆すぎる骨

裏庭での騒動が一段落した後、睡眠不足の頭で「うちでもウサギを飼ってみようかな」なんて、ふと思うかもしれないわね。でも、そんなあなたにウサギ保護協会(House Rabbit Society)から忠告があるわ。

The plush toy illusion and tiny bones — Note to Self About That Backyard Bunny Incident We Barely Survived

協会は、7歳以下の子どもがいる家庭でのウサギの飼育を推奨していないの。小さな子どもって、声が大きくて動きが予測不能だし、衝動を抑えることなんてできないじゃない?ウサギは地面で暮らす、捕食される側の動物。だから小さな子どもに抱き上げられると、ウサギの脳は「空からタカが急降下してきて、自分を捕まえた!」と認識してしまうのよ。

恐怖のあまりウサギは激しく足をバタバタさせるわ。子どもは暴れるウサギを思わず落としてしまう。そして、床に落ちた衝撃でウサギの脆い背骨は折れてしまう……。動物病院で働く友人たちから、小さな子どものいる家庭ではこれが日常茶飯事だという、胸が痛む話を山ほど聞いてきたわ。ウサギの寿命は10年。つまり、最後までお世話をするのは子どもではなく、あなたなのよ。小さな子どもには、ウサギが胃腸うっ滞を起こして、腸閉塞で手遅れになるまでの微妙なSOSのサインに気づくことなんてできないのだから。

野生動物から息子の気を逸らすために、私はやわらかベビーブロックセット(積み木)を買ってみたの。数字やフルーツのイラストがプリントされた、ソフトなゴム製のブロックよ。まあ、悪くはないわね。

1回につき10分くらいなら、子どもを大人しく遊ばせておけるわ。くすみカラーは目に優しくてお洒落だし、リビングのラグに散らかっていてもそこまで気にならないかな。でも、所詮はブロックよ。息子はもっぱらカミカミしてばかりで、たまに飼い猫に向かって投げたりしているわ。まあ、家の壁にぶつかっても穴が空かないだけマシね。

すぐにキャパオーバーになる親のための、フロアルール

もしあなたがこのアドバイスを全て無視して、どうしてもウサギを飼うことになったら、絶対に守らなきゃいけない厳しいルールがあるわ。まず、触る時は床に座って。耳を触ったり毛を引っ張ったりせず、頭と背中だけを優しく撫でること。ソファの下に逃げ込んだら、無理に引きずり出さずそっとしておく。抱っこは大人だけがすること。そして、トイレには絶対に子どもを近づかせないこと。

ウサギは夜中に自分のウンチを食べるのよ。「盲腸便」と呼ばれるもので、腸内環境を整えるために絶対に欠かせないものなの。客観的に見るとギョッとする光景だけど、彼らが生きていくための重要な生理現象なのよ。だから、そんな「生物学的な現場」からは、子どもの手を全力で遠ざけてね。

飼育環境の現実も甘くないわよ。ペットショップで売られているような小さなケージなんて、何の役にも立たないガラクタ同然。ウサギには、犬用のサークルのような広々とした平らなスペースが最低でも12平方フィート(約1.1平方メートル)は必要なの。床が金網になっていると「ソアホック」という足裏の潰瘍(要するに床ずれ)の原因になるわ。私は病院で糖尿病患者の足の潰瘍を嫌というほど治療してきたから、自分のペットの床ずれケアなんて絶対にお断りよ。

松や杉のおがくず(床材)は避けること。木材に含まれるフェノール成分が、ウサギの肝臓や呼吸器系に悪影響を与えるからね。無地の紙製の床材を使ってちょうだい。かじり木には安全なリンゴの木の枝を与えてね。彼らの歯は一生伸び続けるから、かじる物がないと、家の巾木(壁の根元)がボロボロにされちゃうわよ。要するに、終わりの見えない毎日のメンテナンスとの戦いなの。

大自然の容赦ないカオスについて考えながら、当店のオーガニックベビー服コレクションをのぞいてみてくださいね。

さて、あの裏庭での騒動を無事に乗り切ったあなた。お母さんウサギは夜の闇に紛れてちゃんと戻ってきてくれたわね。1週間後には巣は空っぽになり、穴の上には再び青々とした草が生い茂ったわ。次にまた雑草の茂みで灰色の毛玉を見つけたら、何もせずにそっと背を向けて、安全な家の中に帰るのよ。

もしあなたも、歯ぐきが痒くてご機嫌ナナメな子どもに振り回されながら、裏庭の野生動物騒動に対処しているなら、あなたの「人間としての日常」を少しだけラクにしてくれる、当店のサステナブルなベビー用品をチェックしてみてね

私が深夜2時にシャルマ先生に電話で聞いたこと

生まれたばかりの赤ちゃんウサギの正式名称は?

「キット(kit)」または「キトゥン(kitten)」。ウサギなのにキトゥン(子猫)と呼ぶのはやっぱり違和感があるけれど、それが正式名称なんですって。ちなみにメスは「ドウ(doe)」、オスは「バック(buck)」。義母は自分のトマトの苗をかじられた時、彼らをまとめて「害獣」って呼んでいるけれど、それもある意味かなり正確な呼び方ね。

野生の赤ちゃんウサギはどんなエサを食べるの?

野生の赤ちゃんウサギ(キット)は、だいたい生後3〜4週間はお母さんのおっぱいを飲んで育ちます。お母さんウサギのミルクは信じられないほど栄養満点で、だから1日2回の授乳で十分なの。その後は、草やクローバーなど、庭に生えている自然の植物を自分で探し始めます。間違ってもニンジンを与えようとしないでね。バッグス・バニーは私たち全員を騙していたのよ。

子どもが庭の野生ウサギから何か病気をうつされる可能性は?

厳密に言えば、イエス。野生動物は寄生虫や細菌を持っているから。でも、子どもが直接ウサギに触ったり、ウンチで泥んこ遊びでもしない限り、リスクはかなり低いはず。もし巣の近くの土をいじっていたら、しっかり手を洗わせるだけで十分よ。ウサギから病気をうつされることより、庭に生えている謎のキノコを口に入れちゃうことの方がよっぽど心配だわ。

巣が本当に「育児放棄された」かどうかを見分ける方法は?

おそらく、確実に見分ける方法はないわ。お母さんウサギは、天敵に見つからないように「自分の子どもを放置しているふりをする」達人だから。とりあえず「毛糸のテスト」をやってみて。毛糸を巣の上に目印になるように置いて、翌朝確認するの。毛糸が動いていたら、お母さんが来ていた証拠。赤ちゃんがポカポカ温かくて、お腹がふっくら丸くなっていたら、間違いなくお母さんがおっぱいをあげているわ。

庭の邪魔な場所に巣がある場合、移動させてもいい?

絶対にダメ。巣を移動させたら、お母さんが戻ってきた時に子どもを見つけられなくなっちゃうわ。彼女たちは警察犬のように匂いをたどって子どもを探すわけじゃなく、「自分が子どもを隠した正確な場所の記憶」だけを頼りにしているの。飼い犬が心配なら、日中だけ洗濯カゴを被せておいて、夜になったら外してあげるだけで十分よ。