ダラス・フォートワース空港(DFW)のターミナルDでのこと。お気に入りのTシャツが汗だくになる中、今や「歩くトラブルメーカー」と化した長男は、手荷物受取所のカルーセルを遊園地のアトラクションのように乗り回そうとしていました。夫はといえば、壊れた40ドルのトラベルベビーベッドを収納バッグに無理やり押し込もうと悪戦苦闘。その様子を、搭乗口のスタッフが老眼鏡越しに冷ややかな目で見つめていました。この安っぽいプラスチックの塊を預けるためだけに50ドルも払ったのに、アーカンソー州の上空のどこかで脚が1本なくなってしまったのです。
何年もの間、私は「家族旅行=家にあるベビー用品の安くてちゃちな2軍バージョンを買い揃えること」だと思い込んでいました。まっすぐ進まない上にキーキー鳴る安物の「旅行用」ベビーカー。折りたたむたびに指を挟んでしまう、無駄に複雑な携帯用ハイチェア。テキサスの田舎町から旅行に出かけるたび、私たちの車は1年以内にゴミになる運命の「その場しのぎのベビーグッズ」でパンパンになり、まるで夜逃げでもしているかのようでした。
優しい祖母は、「1982年にパパにしたみたいに、ホテルのタンスの引き出しを抜いて、そこに子どもを寝かせればいいのよ」なんてアドバイスしてくれました。でも、現代の私たちは赤ちゃんの呼吸や背骨の成長についてもう少し知識があるし、何より私の性格上、マリオットホテルの家具で即席のベッドを作るなんて心配で絶対に無理です。そうやってやんわりと祖母に伝えました。だから私は、子どもに海を見せるための「避けられない苦行」だと信じて、安物のベビーグッズを買い、国中を引きずり回し、航空会社にバカ高い預け入れ手数料を払い続けていたのです。
Instagramで誰かが「花柄のパッキングキューブ(収納ポーチ)で人生が変わる!」と教えてくれましたが、笑ってしまいます。だって、ナイロンの四角い袋が、機内の14B席でギャン泣きするイヤイヤ期の子どもを大人しくさせてくれるわけじゃありませんから。
レンタルエコノミーの現実
5歳未満の子ども3人を連れた飛行機旅行への考え方が本当に変わったのは、「すべてを所有する」のをやめた時でした。「BabyQuip(ベビー・クイップ)」というプラットフォームを見つけたんです。ベビーベッドやベビーカー、ハイチェア版のAirbnbみたいなサービスです。赤ちゃんが泣き叫ぶ中、重くて巨大なベビーグッズを保安検査場まで引きずっていく代わりに、旅先の地元に住むママから、普段家で使っているのと同じ高品質なブランドのアイテムをレンタルすることにしたんです。
サイトにアクセスして旅行先を入力すると、地元の「クオリティ・プロバイダー」と繋いでくれます。プロバイダーの多くは、質の良いベビー用品を持っている地元のママやおばあちゃんたちです。レンタルできるのは、フルサイズの木製ベビーベッドやSNOOのスマートベビーベッド、ちゃんとサスペンションが効く二人乗りのジョギング用ベビーカーなど。彼女たちはそれを車でホテルや貸別荘、あるいは空港まで運んでくれて、私たちが到着する前にセッティングまでしてくれるんです。
環境面から見ても、これは本当に理にかなっています。10組の家族がそれぞれ、2回しか使わない安物のプラスチック製トラベルベッドを買って捨てる代わりに、1つの高品質なベビーベッドが継続的に使われるのですから。ベビー服や離乳食についてはサステナビリティがよく語られますが、「旅行用ベビーグッズ」が生み出すプラスチックゴミの量は、本当にものすごい数だと思います。
気になる「衛生面」のホントのところ
正直に言いますね。私が最初に気になったのは「不衛生じゃないか」ということでした。見ず知らずの赤ちゃん100人がよだれを垂らしたかもしれないベビーベッドの縁を、我が子がカミカミするなんて想像しただけでゾッとしました。ボウリングの靴をレンタルするのと同じようなものだと思っていたんです。

でも、このプラットフォームには、まさにそんな不安を解消するための非常に厳しい企業プロトコルがありました。プロバイダーは、アイテムの回収後と貸出前の両方で、一つひとつのアイテムを徹底的に清掃・消毒することが義務付けられています。会社としても、オーガニックで無毒な、赤ちゃんに安全なクリーニング製品を使用することを強く推奨しているので、レンタルのスリーパー(おくるみ)を子どもに着せることへの抵抗感はずっと減りました。彼らの調査によると、ほぼすべての利用者が「十分に清潔だ」と感じており、正直なところ、私たちがレンタルしたアイテムは、自家用車の後部座席よりずっといい匂いがしました。
ここで、チャイルドシートについて一つハッキリさせておきます。プロバイダーはチャイルドシートの取り付けはしてくれません。当局の厳しい責任ガイドラインがあるため、彼らから受け取ったら、自分たちで取り付ける必要があります。でも、私は断然この方がいいと思っています。万が一取り付けに失敗して子どもを危険に晒すことになったら、その責任は親である私がしっかりと負うべきで、善意で手伝ってくれた地元のブレンダおばさんのせいにはしたくないからです。
それでも機内に持ち込む必須アイテム
重いベビーグッズを持ち運ぶのはもうやめましたが、実際に機内に持ち込むものについては、今でもすごくこだわっています。高度3万フィートの上空で、歯ぐきがむず痒い赤ちゃんに噛ませるものが搭乗券しかない、なんて状況は絶対に避けたいですからね。
私が絶対に持ち歩いているお気に入りは、パンダの歯固めです。長男は離陸のたびに大声で泣き叫び、CAさんがギャレーに隠れてしまうほどでした。次女が産まれる頃には私も賢くなり、飛行機の車輪が地面から離れた瞬間に、このシリコン製のパンダを彼女に手渡しました。完全BPAフリーの食品グレードシリコン製で、笹の葉のデコボコした質感がいいのか、何時間でも夢中で噛んでくれます。ペタンコなのでウエストポーチに入れても全然かさばらないし、空港のベタベタした床に落としてしまっても(絶対落とします!)、除菌シートでサッと拭き取れるので助かっています。
手荷物のバッグには、オーガニックコットン・ノースリーブベビーロンパースをきっちり3着入れています。かかりつけのお医者さんから「赤ちゃんは旅行のストレスを感じると、体温調節がうまくできなくなることがある」と聞いたのですが、カンザス州上空で汗だくになって怒り狂う我が子を抱っこした私の経験からも、まさにその通りだと思います。このロンパースは95%がオーガニックコットンでできているので、通気性が抜群で、デリケートな肌に熱がこもりません。さらに、肩の部分が重なったエンベロープネック仕様なので、オムツの背中漏れが起きた時(シートベルト着用サインが点灯している揺れの激しい時に限って起きるんです!)でも、汚れた首元を顔にこすりつけることなく、足の方へスッと脱がせることができます。
とはいえ、どんなおもちゃでも旅行に向いているわけではありません。前回のフライトにはやわらかベビーブロックセットを持っていったのですが、正直、飛行機での出番はイマイチでした。ブロック自体は素晴らしいんです。柔らかいゴム製で完全無毒だし、家のリビングの床で遊ぶような知育には最適です。でも、狭い機内では話が別。真ん中の子が「4番」のブロックを14B席の下に向かって即座に放り投げたのですが、機内の座席下という暗黒の深淵に素手を突っ込んで拾うなんて絶対に無理。ブロック遊びはホテルの部屋までとっておきましょう。
ムダなものを詰め込むのをやめて、外出先でも赤ちゃんをしっかり落ち着かせてくれる天然素材のアイテムを厳選したい方は、次のフライトの前にKianao(キアナオ)のオーガニックアパレル・コレクションをぜひチェックしてみてくださいね。
気になる旅行費用のホントのところ
お金の話もしておきましょう。我が家も決して裕福なわけではありませんから。ベビー用品のレンタルは激安というわけではないので、自分の家族にとってお得かどうか計算する必要があります。ベビーカーはだいたい1日35〜50ドル、フルサイズの木製ベビーベッドは1日50〜90ドル程度。そこに配送料やプラットフォームのサービス料が加わるので、1週間のレンタルとなると、お会計の時に「ちょっと高いな」と感じるかもしれません。

でも、自分のアイテムを飛行機に持ち込む場合の「見えないコスト」と比較してみてください。航空会社は、規格外の手荷物に片道30〜50ドルの追加料金を喜んで請求してきます。さらに、そもそもその安っぽい旅行用グッズを買うコストや、暴れる赤ちゃんを抱っこしながらレンタカーのカウンターまで大荷物を引きずる「体力的な消耗」も考慮すべきです。年に一度の家族旅行なら、レンタルは心からリラックスできる絶対的な救世主になります。仕事で月に何度も飛行機に乗るなら、もちろん高級な旅行用ベビーカーに投資するべきでしょう。でも、年1回のビーチ旅行なら? 道具はレンタルして、自分の心の平穏を守りましょう。
おじいちゃん・おばあちゃん家でのちょっとしたコツ
私の母は悪気はないのですが、実家はガラスの置物や急な階段だらけで、赤ちゃんにとっては危険がいっぱいです。休日に私たちが遊びに行くたび、母はわざわざ安いハイチェアとプラスチックのベビーサークルを買って、実家に置いておこうとします。
1年のうち51週間はガレージでホコリとクモの巣をかぶっているようなかさばるプラスチック製品に、母の老後資金を使わせるなんて申し訳ないですよね。だから、私たちが滞在する5日間だけ、地元でベビーグッズをレンタルしてもらうことにしたんです。地元のプロバイダーが、ハイチェアや安全な寝床、さらに月齢に合わせたおもちゃ箱まで、実家の玄関先まで届けてくれます。おかげで実家が物で溢れることもなく、赤ちゃんは安全に過ごせますし、何より私の膝の上で生後6ヶ月の赤ちゃんにサツマイモのペーストを食べさせようとしてパニックになることもなくなりました。
レンタカーのセダンのトランクにかさばるベビーサークルを無理やり押し込む前に、まずは寝る場所をどうするか考え、腰を痛めずに済む必須アイテムを確保するようにしてくださいね。
ベビーグッズのレンタルについてよくある質問
レンタル中に壊したり傷つけたりしたらどうなるの?
子どもって物を壊す生き物ですよね、それが普通です。プラットフォーム側も、補償対象となるすべてのレンタルに対して100万ドルの大規模な賠償責任保険をしっかりと用意してくれています。もし子どもがハイチェアのプラスチック部品を折ってしまったら、プロバイダーに正直に伝えれば大丈夫。彼女たちも同じママなので、ちゃんと理解してくれます。ダメージの程度によっては交換費用を支払うことになるかもしれませんが、頭ごなしに怒鳴られるようなことはありませんよ。
旅行のためにSNOO(スマートベビーベッド)をレンタルする価値はある?
お家でSNOOで寝ているなら、絶対に「イエス」です。旅行中だからといって、赤ちゃんの睡眠環境を変えないでください。実は私、SNOOを買う前に、週末のお試しとして自分の家でこのプラットフォームを使ってレンタルしたことがあるんです。結果的に一番下の子はSNOOが大嫌いで、暗闇でシクシク泣く私の胸の上で寝る方を好みました。おかげで1,500ドルも無駄にせずに済みました。
オムツやおしりふきも届けてもらえるの?
はい! これは私の一番お気に入りの機能です。多くのプロバイダーが、消耗品の追加オプションを用意しています。普段使っているオムツとおしりふきのブランドを伝えておけば、ターゲット(スーパー)で買ってベビーベッドと一緒に置いておいてくれます。かさばるオムツのパックをスーツケースに詰め込まなくて済むので、自分の靴を入れるスペースがたっぷり確保できます。
レンタルしたチャイルドシートが事故に遭ったことがあるものだったら?
私もそれが一番怖かったです。でも、彼らは驚くほど厳しい交換プログラムを持っています。もしレンタルされたチャイルドシートが事故に巻き込まれた場合、会社は即座に新品と交換します。構造上の安全性を妥協することは一切ないので、強度が落ちたチャイルドシートが出回ることはありません。ただし、レンタカーへの取り付けは自分自身でやらなければならないことだけは忘れないでくださいね。
どれくらい前に予約すればいい?
感謝祭やクリスマス、春休みなどの時期に旅行するなら、1ヶ月前には予約してください。在庫は巨大な倉庫ではなく個人の地元プロバイダーが管理しているので、フルサイズの木製ベビーベッドや二人乗りベビーカーなどの「良いもの」は、他のお疲れの親たちにあっという間に確保されてしまいます。飛行機のチケットを取ったら、すぐにベビーベッドも予約しましょう。





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