半年前のサラ(私)へ、

午前2時14分。あなたは2階のバスルームの、冷たくてなぜか少しベタつくタイルの床に座り込んでいるわね。夫のデイブのグレーのスウェット(左膝に穴が開いていて「捨てる捨てる」と文句を言いつつ結局捨ててないやつ)を穿いて、ふたつ隣の町の消防署に赤ちゃんが置き去りにされたというスマホのニュース通知をただ見つめている。

カウンターの上には、表面に薄い膜が張ってしまった生ぬるいコーヒー。廊下の先のバシネットでは娘のマヤが泣いている。息子のレオはスーパーヒーローのベッドで爆睡中。そしてあなたはそこに座って、そのニュース記事のコメント欄をスクロールしながら、胸の奥で正義感と怒りが入り混じった熱い結び目のようなものを感じている。

こう思っているはずよ。「こんなことをするなんて、どんなモンスターなの?」

あなたはその母親を責めている。郊外のマイホームで、協力的な夫がいて、冷蔵庫には食料が詰まっているという環境に座りながら、見ず知らずの誰かをジャッジしている。彼女の名前も、銀行の口座残高も、脳内の化学状態も知らないのに、とにかく有罪判決を下しているのよ。

未来の私がこの手紙を書いているのは、それを止めるため。今すぐ、そのジャッジを止めて。

ジャッジする心が完全に崩壊した夜

それから数週間後。マヤは生後4ヶ月の睡眠退行(スリープリグレッション)に突入する。夜中に1、2回多く起きるってレベルじゃなくて、完全に眠らなくなるの。小さな体で暴れ回り、何をやっても泣き止まない小悪魔になっちゃって、ジュラシック・パークのテーマ曲をハミングしながら、バランスボールで1分間にぴったり72回のペースで弾まないと許してくれない状態。

デイブは出張中。お母さんはインフルエンザ。家にいるのは私と、突然トイレの行き方を忘れた4歳の息子、そしてこの世のすべてを憎んでいるかのような赤ちゃんだけ。

午前4時30分、キッチンに立って電子レンジの時計を見つめていたのを覚えてる。連続で38時間起きていた。手は物理的に震えていたわ。スマホを手に取って助けを検索しようとしたけど、親指が震えすぎて、Googleの検索バーに文字を打つだけで精一杯だった。画面の中でなぜ あkちゃん 泣くどうしたら あかcyん 寝ると誤字だらけになっているのを見た瞬間、私は過呼吸になりながらヒステリックに泣き崩れたの。

まさにその時、私は玄関のドアを見た。デッドボルトの鍵はそこにあって、車のキーはフックにかかっていた。

コートを着て、ドアから出て、愛車のホンダCR-Vに乗り込み、そのままカナダまで運転して逃げるという、鮮明で恐ろしくて、完全に圧倒されるような妄想に取り憑かれたの。子供たちを置いて。ただ全員を置いていく。だって、この子たちを生かし続けるという重圧が、文字通り私の胸を押し潰しそうだったから。

もちろん、そんなことはしなかった。床にへたり込み、冷めたコーヒーを飲んで、何とかその夜を生き延びた。でも、あの暗くて恐ろしい瞬間に、私はようやく理解したの。

暗い衝動について医師が教えてくれたこと

デイブが帰宅したとき、私はガレージで完全にパニックを起こした。もう頭がおかしくなりそうだと伝えたら、彼はひどく怯えた顔をしたわ。正直、それがさらに私を怒らせたの。だって彼の乳首は何の役にも立たないし、飛行機の中でぐっすり眠れるんだから。

結局、私はかかりつけの病院で泣き崩れることになった。アリス先生は、ラベンダーと医療用アルコール消毒液の香りがする、現実的で素晴らしい女性。自分の子どもたちを置いて逃げ出す妄想をしたと打ち明けても、彼女は私を悪人を見るような目では見なかった。

彼女は小さなキャスター付きの丸椅子を引き寄せて私の膝に手を置き、こう説明してくれた。母親の脳は「生存」のために強固に配線されているけれど、そこから睡眠や周囲のサポート、頼れるリソースを奪ってしまうと、その配線が完全にショートしてしまうのだと。論理的な決断を下す前頭前野(あるいは脳のそういう部分)が完全にオフラインになるようなものらしい。悪意から行動しているわけじゃなく、純粋で混じりっけのない心理的トラウマからそう考えてしまうのだ、と。

先生の経験上、子どもを置いていく母親たちは、子どもを愛していないからそうするわけじゃない。深刻な精神的崩壊、押し潰されるような貧困、あるいは「自分なんかいない方が子どものためになる」と本気で思い込んでしまうほど重症化した産後うつに囚われているからこそ、そうしてしまうのだと言ってくれた。

それは病気であり、罪ではないと。

とにかく、先生は私にセラピストを探すよう勧め、お薬を処方し、そしてデイブに夜間の育児を代わらせるよう強く言ってくれたの。

私が実際にこの時期を乗り切るのに役立ったアイテム

もしあなたが午前3時に震える手でこれを読んでいるなら、これだけは伝えたい。生活が5%でも楽になるなら、便利なアイテムをためらわずに買っていいのよ。一番苦労したからって、トロフィーがもらえるわけじゃないんだから。

The stuff that actually helped me survive — How Do People Abadon Babies? A Letter To Myself

マヤが睡眠退行に加えて歯ぐずりまで始めたとき、私は本当に精神科の保護室送りになるんじゃないかと思った。娘は私の鎖骨に噛みついて、キスマークみたいな生々しいよだれの跡をあちこちに残したわ。私は必死になって、Kianaoのパンダの歯固め(ティーザー)を注文した。見た目が可愛かったし、もうワラにもすがる思いだったから。

正直に言うとね? これは神様からの贈り物だった。大人の私にはよくわからないくらい完全に平らな作りなんだけど、その形が彼女の小さな歯茎にはぴったりだったみたい。竹のように見える部分を自分でしっかり握れて、4秒ごとに落とすこともなくなった。つまり、娘を置いて、両手を使って淹れたてのコーヒーを作れるようになったの! シリコン製だから、案の定犬のベッドの上に落としても、そのまま食洗機に放り込むだけ。本当に買って正解だった。

あと、オーガニックコットン ベビーボディスーツも買ったわ。ねえ、率直に言うわね。生地の柔らかさは本当に信じられないくらい。バターみたいに滑らかで、天国のような肌触り。「この素材で大人のスウェットパンツを作ってくれたらいいのに」って思うレベルよ。マヤの湿疹もまったく刺激しなかった。でも。スナップボタンがね。ああ、あのスナップよ。真っ暗な子ども部屋で、ニンジャみたいに蹴りまくる赤ちゃんの小さな3つの金属スナップを留めようとするのは、結構イライラするの。日中のお出かけには最高に素敵なボディスーツだけど、真夜中におむつからウンチが漏れた時の格闘には向いてないかもしれないわ。

もしあなたが今、負のループに陥っていて、気を紛らわせるために何か可愛いものを見たいと思っているなら、オーガニックベビー服のコレクションを少し覗いてみて。正直言って、小さな可愛いお洋服をデジタルのカートに入れるのって、すごく過小評価されているけど立派なストレス対処法なんだから。

現代の母親が抱える絶対的な孤独感

ここで本当の問題について話しましょう。

本来、小さな人間を育てるには村(コミュニティ)が必要なはずよね。みんなそう言うわ。「子育てには村が必要だ!」って。でも、その村はいったいどこにあるの? 私の村といえば、ネントレ(睡眠トレーニング)の方法についてチクチクと言い争っている女性だらけのFacebookグループと、冷めたフライドポテトを玄関先に置いていくフードデリバリーの配達員くらいよ。

母親たちは溺れかけているの。

私たちは、出産からたった6週間で回復して職場に復帰し、給湯室や物置で母乳を搾り、インスタ映えする完璧な家を保ち、オーガニックな食事を作り、そして決して文句を言わないことを求められている。じゃあ、もしお金がなかったら? 頼れる夫のデイブがいなかったら? まだ10代だったり、依存症と闘っていたり、車上生活をしていたりしたら?

心が壊れてしまう人がいるのも当然よ。恵まれた環境にいるはずの私でさえ壊れたんだから。重度の睡眠不足で、軽い産後うつ状態だった私の脳が、その月にしでかしたことのリストがこれ:

  • テレビのリモコンを冷凍庫に入れ、デイブが無くしたと大声で怒鳴った。
  • レオがトーストを四角じゃなくて三角に切ってほしいと言っただけで、「私は母親失格だ」と45分間泣き続けた。
  • マヤをベビーベッドに入れ、部屋の鍵を閉めて、イヤーマフをつけてバスタブの中で寝ようかと本気で考えた。
  • コーヒーにオーツミルクの代わりに搾乳した母乳を丸まる一本分注いでしまい、間違いに気づいたのにそのまま飲んだ。

それなのに社会は、リソースがゼロの女性たちに対しても、まるで魔法のようにすべてを完璧にこなすことを期待しているのよ。

素敵な気分転換

泣いているマヤをあやしている間、レオを少し離しておきたくて、このくまの歯固めラトルを買ったの。木製のリングに、美しいブルーの編みぐるみのくまがついているのよ。最初はマヤの歯固め用に買ったんだけど、完全にレオの物になっちゃった。彼のお気に入りのアクションフィギュアのペットとして持ち歩かれてるわ。木の部分は無塗装でとても滑らかだから、マヤが隙を見て奪い返し、口の中に押し込んでもハラハラしなくて済むの。ピカピカ光ったり、ピーピー鳴ったり、電池が必要だったりしない貴重なおもちゃ。これこそが、情報過多で疲れ切った私の脳が今一番求めている「平穏」なのよね。

A beautiful distraction — How Do People Abadon Babies? A Letter To Myself

誰も教えてくれない法律の知識

そうそう、すべてのアメリカの州には「セーフ・ヘイブン法(赤ちゃんポスト法)」という法律があるらしいの。消防署や病院、警察署に行って、スタッフに新生児を渡し、完全に匿名で、逮捕されることもなく立ち去ることができる制度。病院でもらえるあの巨大なメッシュの産褥ショーツにでも印字しておくべき、超重要情報じゃない?

場所によっては、誰の目も気にせずに済むように、救急施設の壁に温度管理された「ベビーボックス(赤ちゃんポスト)」が設置されているところもあるわ。

でも、誰もその話はしない。だってそれを話題にしたら、「母親になることは常に素晴らしい魔法のようなもの」という幻想が崩れてしまうから。時には、母親が「自分には育てられない」と気づき、子どもを国の保護システムに委ねることこそが、その子にとって絶対的に安全で、最大の愛情表現になり得るという事実を認めなきゃいけないから。

私たちは、彼らをジャッジする方を選んでしまうの。「彼らはモンスターだ」と呼ぶ方が簡単だから。社会のシステムが壊れていて、睡眠不足や貧困、精神的な病の条件が重なれば、私たちの誰もが崩壊する可能性があるなんて認めたくないのよね。

あなたへの約束

だから、半年前のサラ。ジャッジするのはもうやめて。

バスルームの床から立ち上がって。とにかくどうにかしてデイブを起こし、泣き叫ぶ赤ちゃんを彼に託して。そしてゲストルームに鍵をかけ、4時間連続で眠るのよ。

状況は良くなっていくから。マヤは眠り方を覚えるし、レオはトイレの行き方を思い出す。コーヒーは相変わらず冷めちゃうけど、あなたの脳はちゃんとオンライン(正常な状態)に戻るから。

自分自身に優しくして。そして他の母親たちにも優しくしてあげて。私たちはみんな、手元にある壊れたカケラをかき集めて、ただベストを尽くしているだけなんだから。

あなたが今パニックになりながら検索しているであろう、重くて厄介な質問に答える前に、お願いだからKianaoのホームページをチェックして、自分や子どものために素敵なものを見つけてみて。あなたは今日を生き延びた。それだけで十分素晴らしいんだから。

複雑な本音のQ&A

家族を置いて逃げ出したいと思うのは、完全に頭がおかしくなってる証拠ですか?

いいえ、絶対にそんなことない。私のセラピストは、これは本当によくある「侵入思考(自分の意思に反して浮かぶ不快な考え)」だと言っていたわ。極度の睡眠不足で追い詰められているとき、脳の「闘争か逃走か」の反応が「逃走」でバグってしまうの。子どもを愛していないわけではなく、ただ脳が「休ませて!」と悲鳴を上げているだけ。でも、もし本気でどうやって逃げるか計画を立て始めたら、その瞬間すぐに病院に電話して。パートナーを起こして、電話をかけるのよ。

消防署に赤ちゃんを預けた場合、実際にはどうなるの?

私が調べた限りでは、セーフ・ヘイブン法に基づき、指定された救急隊員やスタッフに赤ちゃんを預けた場合(州によって異なるけれど、通常は生後数日以内)、すぐに医療的なチェックが行われるわ。警察に通報されて逮捕されるようなことはない。その後は児童福祉システムが引き継ぎ、通常は認定された養親家庭にすぐに預けられる。乳児の安全を守るために、通常の煩雑な手続きをスキップできるようになっているのよ。

TikTokでよく見る「ベビーボックス」って一体何?

簡単に言うと、消防署や病院の外壁に設置された、温度管理機能付きの安全な保育器のこと。親が外からドアを開け、中に新生児を寝かせてドアを閉める仕組み。一度閉めると外からはロックされ、施設内でサイレントアラームが鳴るから、救急隊員が数秒で赤ちゃんを保護できるようになっているの。100%の匿名性が確保されるため、罪に問われることを恐れてパニックになった母親が、危険な場所に赤ちゃんを置き去りにしてしまうのを防ぐ役割があるのよ。

正気を失わずに極度の睡眠不足を乗り切るにはどうすればいいの?

自分が持っているすべてのハードルを下げること。上の子には夕食に乾いたシリアルだけを食べさせてもいい。洗濯物を畳むのをやめて、カゴから直接服を取って生活して。同じスウェットを3日間着続けよう。そして、誰かに助けを乞うこと。パートナーがいるなら、夜を分担して。次の日仕事があるかなんて関係ない。育児だって立派な「仕事」よ。私は文字通り、マヤをデイブに託してTarget(スーパー)の駐車場まで車を走らせて、車内で2時間眠ったわ。とにかく、生き抜くために必要なことは何でもやって。

どうして母親たちは、赤ちゃんを置き去りにする代わりに養子縁組の機関を使わないの?

危機的な状況下では、論理なんて存在しないからよ。養子縁組の手続きを進めるには、実行機能(計画や判断をする脳の働き)やインターネット環境、移動手段、そしてクリアな思考が必要。重度の産後精神病に苦しんでいたり、DV夫から妊娠を隠していたり、路上で生活していたりする母親は、常に「サバイバルモード」なの。5歩先のことなんて考えられない。ただ目の前の恐怖に反応するだけで精一杯なのよ。