ある火曜日の夜11時15分、キッチンの床に座り込んでいた私は、ツンと酸っぱいミルクの匂いが染み付いたスウェット姿で、夫の古い電動歯ブラシのヘッドを握りしめ、プラスチック製のベビーチェアのフリルの縫い目に詰まったドロドロのサツマイモをこすり落としていました。カウンターの上には、その日4回も電子レンジで温め直したのに結局一口も飲めなかったコーヒーがぽつんと置かれています。そこへ夫のデイブがキッチンに入ってきて、ネオングリーンのビニール素材を前に泣き崩れる私を見るなり、賢明にもくるりと背を向けて出て行きました。

そのベビーチェアはまるで宇宙船でした。キャスター付きで、ボディボードくらいある巨大なトレイがついていて。洗うためにはスナップボタンを外さなきゃいけないクッションが3層も重なっていたのですが、私は一度も外して洗ったことがなく、結果的にそこは食べこぼしが熟成される恐ろしい生態系と化していました。私はもう、心底うんざりするほどその椅子のことが憎かったんです。

初めての赤ちゃんのときは、見た目が快適そうなものとか、ドリンクホルダーがたくさんついているものを選んでベビー用品を揃えがちです。でも、ベビーグッズのほとんどが「罠」だなんて、誰も教えてくれません。特に、食事用のアイテムに関しては。

「赤ちゃんにおすすめのハイチェア」とネットで検索しても、おかしな形の巨大なプラスチックの塊が40種類もズラリと並んだリストが出てくるだけで、完全に圧倒されてしまいますよね。だからこそ、あの頃より少し年をとり、万年寝不足で、なぜかダイニング家具に対して異常な情熱を燃やすようになった私が、「赤ちゃんにご飯を食べさせるとき、一体どこに座らせるのが正解なのか」、実際にたどり着いた答えをお話ししたいと思います。

私の人生を狂わせかけた「リクライニングの罠」

さて、息子のレオのときに私が全く知らなかった事実をお話しします。あの大きなプラスチック製の椅子の多くには、背面にリクライニング用のレバーがついていますよね。私はそれを「素晴らしい機能だ!」と思っていました。グリンピースのペーストを食べさせた後、私が食洗機を片付ける間、彼をそのまま後ろにもたれさせてリラックスさせればいいじゃないか、と。……当時の私は本当にバカでした。

レオの生後6ヶ月健診で、かかりつけのミラー先生にそのことを話すと、彼女はなんとも言えない、恐ろしいほどに冷静な表情を浮かべました。そして、離乳食を食べているときに赤ちゃんをリクライニングさせるのは、窒息を引き起こす非常に恐ろしく重大な危険行為だと教えてくれたのです。なぜなら、重力があるから!赤ちゃんが後ろに傾いていると、食べ物をどう飲み込めばいいか判断する前に、重力でそのまま喉の奥へスッと落ちてしまうんです。

そもそもミラー先生によれば、赤ちゃんは生後6ヶ月くらいになるまで、そして自分自身で首が完全にすわり、背筋をピンと伸ばして座れるようになるまでは、ハイチェアに座らせるべきではないそうです。椅子にリクライニング機能がついているのは、もしかして哺乳瓶でミルクをあげるためなのでしょうか?でも正直なところ、わざわざ5点式ベルトで赤ちゃんを縛り付けてからミルクをあげる人なんているのでしょうか?私はいつも、リアリティ番組を見ながらソファであげていましたし。とにかく大事なのは、食事中に赤ちゃんを絶対にリクライニングさせないこと。絶対にです。背筋を真っ直ぐにして座らせてあげてください。

「宙ぶらりんの足」問題について話しましょう

お医者さんに底知れぬ恐怖を植え付けられた後、私は安全な「嚥下(飲み込むこと)」についてネットの底なし沼にハマり込みました。調べてみると、摂食・嚥下の専門家たちは「角度」にものすごくこだわっていることがわかったんです。「90-90-90の法則」というものがあって、私もなんとなく理解してはいるものの、時々忘れそうになります。

Let's talk about the dangling leg situation — The High Chair Mistakes I Made (So You Don't Have To)

基本的に、安全な椅子というのは、赤ちゃんの股関節が90度、膝が90度、そして足首が90度の角度に曲がった状態で座れる必要があります。つまり、「足置き(フットレスト)」が絶対に必要だということです。

私の最初の「宇宙船チェア」には足置きがありませんでした。レオの小さな足は、まるでスキーのリフトに乗っているかのようにただ宙ぶらりんになっていました。当時は何とも思っていなかったのですが、足が空中にぶら下がっていると、お腹に力(体幹)を入れられないそうです。足置きのない背の高いバースツールに座って、硬いステーキを食べることを想像してみてください。最悪ですよね?とにかく体を安定させたくなるはずです。赤ちゃんも同じです。しっかりした面に足を踏ん張ることができれば、バランスをとるためだけに脳のエネルギーを使い果たすことなく、安全に噛んで飲み込むことだけに集中できるのです。

だから、高さ調節ができる足置きが絶対に必要なんです。これに尽きます。足置きがない椅子なんて、ただのガラクタです。

私が木製の椅子に大金をつぎ込んだ理由

「サツマイモ&歯ブラシ事件」の後、私はプッツンとキレました。宇宙船チェアをガレージに放り投げ、ヨーロッパの親たちがこぞって使っている、あのめちゃくちゃ高価な木製の「成長に合わせて使える」椅子を買ったんです。小さなハシゴみたいに見える、あれです。

クレジットカードの請求書を見た夫のデイブは卒倒しかけましたし、ネジの形が独特なせいで組み立てに2時間も悪態をついていましたが、いやもう、本当に神アイテムでした。すべてが変わったんです。

まず第一に、サッと拭くだけで綺麗になる! 隙間もなければ、縁取りのパイピングもありません。濡れた布巾で木材を拭くだけで、たった4秒で終わります。第二に、座面と足置きが完全に調節できるので、レオの成長に合わせて常に完璧な「90-90-90の角度」をキープできました。さらに、股の部分に固定式のセンターポスト(滑り落ち防止の支柱)がついています。赤ちゃんがズルズル滑り落ちて挟まってしまうのを防ぐため、今は法的に絶対に必要みたいですね。あまり考えたくない、恐ろしい想像ですが。

でも最大のメリットは、長く使えることです。プラスチック製の椅子は、1年半もすればゴミの埋め立て地行きです。でもこの木製の椅子は、幼児用の椅子になり、やがて普通の椅子になります。レオは今7歳ですが、ダイニングテーブルでまだこれに座っていますよ。耐荷重は110キロくらいあるんです。ある日の深夜、デイブが残りのピザを食べながらこれに座っているのを目撃しましたが、本人は否定しています。

あと、テーブルの端に挟んで取り付けるタイプの布製の小さな椅子も、買わないことをおすすめしておきます。義母の家に行くときのために一つ買ったのですが、レオがテーブルを思い切り蹴飛ばしたせいで椅子ごと外れそうになり、テーブルがひっくり返りそうになったので。

もしあなたも今、離乳食開始のカオスに溺れていて、キッチンがまるで事件現場のようになっているなら、毎日のルーティンが少しでも心穏やかになることを願って、私たちのお食事アイテムコレクションを覗いてみてください。

憎きトレイに本気でくっついて離れないお皿

椅子の問題が解決したら、次は「赤ちゃんの人生最大の目的は、食べ物を床に投げ落とすことである」という事実に向き合わなければなりません。彼らにとっては物理の実験なのでしょうね。私にとっては、犬の毛まみれになったブルーベリーを延々と拾い続けるだけの苦行ですが。

Plates that seriously stay on the damn tray — The High Chair Mistakes I Made (So You Don't Have To)

これまで本当にたくさんのお皿を試してきました。吸盤付きのお皿のほとんどはゴミ同然です。でも、ベビー用シリコンベアプレートには本気で惚れ込んでいます。まず、吸盤が本当にちゃんと機能するんです。吸盤を外す小さなタブを引き忘れてお皿を引っ張り上げようとしたら、ダイニングテーブルごとひっくり返しそうになったくらい。娘のマヤはくまの形がお気に入りで、「くまさんにブロッコリーを食べさせる」ことに夢中になり、お皿を投げるのをピタッとやめてくれました。

正直なところ、食洗機にかけても後で洗剤の味が残らないお皿はこれだけです。同じシリーズのシリコンキャットプレートも持っていますが、こちらは基本的な作りは同じでおヒゲのデザイン。小さな耳の部分は、ケチャップやフムスなど、子どもが毎回の食事で絶対に譲らない謎のディップソースを入れるのにぴったりです。

ちなみに、シリコン吸盤ボウルも買いました。まあ……悪くはないです。品質は素晴らしいし、完全BPAフリーで落としても割れません。でも正直に言うと、ボウルはお皿よりも高さがあって掴みやすいため、子どもたちはいつもあっという間に外し方をマスターしてしまいました。それに、ボウルの後始末をするのが面倒で、マヤのスクランブルエッグを木製のハイチェアのトレイに直接置いてしまうこともしばしば。でも、オートミールやスープ(赤ちゃんにスープをあげる勇者には神の御加護を!)を出すなら、とても良いボウルです。ただ、目を離さないようにしてくださいね。私がペーパータオルを探している隙に、マヤは自分の「足」を使って吸盤を外したことがありますから。

5点式ベルトは絶対に妥協しちゃダメ

最後にもう一つ、ミラー先生にきつく言われたことがあります。毎年5,000人以上もの赤ちゃんがハイチェアから転落して救急治療室(ER)に運ばれているそうです。5,000人ですよ? 信じられません。

国の安全基準では3点式ベルト(腰回りだけのもの)しか義務付けられていません。でも、それで良しとしないでください。月齢の上がった赤ちゃんは、自己防衛本能ゼロの小さな脱出王(フーディーニ)です。生後9ヶ月頃、レオはレストランにいるときに3点式ベルトをしたまま立ち上がる方法を発見し、私はマジで寿命が縮みました。絶対に肩紐のついた5点式ベルトが必要です。これなら赤ちゃんをしっかり固定できるので、立ち上がったり、犬を見ようと身を乗り出しすぎたり、椅子ごと後ろに倒れたりするのを防げます。

たしかに肩紐はスパゲッティのソースまみれになりますし、長さを調節するのも面倒です。でも、週に1回洗濯機に放り込んで我慢してください。10ヶ月の赤ちゃんがキッチンカウンターからベースジャンプを決意してERに駆け込むことになるよりは、ずっとマシですから。

真夜中に椅子の隙間をゴシゴシこするのをやめて、お食事タイムのサバイバルキットをアップグレードする準備はできましたか? 赤ちゃんが「モップがけしたばかりの床がお腹を空かせている」と判断してしまう前に、あのくまさんプレートを手に入れてくださいね。

お疲れ気味のパパママたちから今でもよく聞かれる質問

ネットで子どもの食事の愚痴をこぼすと、あの頃の私と同じように戸惑い、疲れ果てたママたちからたくさんのDMが届きます。私がいつも答えている内容をご紹介しますね。

ハイチェアに座らせる「本当のタイミング」はいつ?

米国小児科学会(AAP)は「生後6ヶ月頃」と言っていますが、カレンダー上の数字は絶対ではありません。大切なのは赤ちゃんの体の発達状況です。かかりつけ医によれば、ほぼ自力でお座りができて、首や頭のコントロールがしっかりできている必要があるとのこと。もし椅子に座らせてみて、悲しい小麦粉の袋みたいにぐにゃっと崩れてしまうなら、すぐに降ろしてください。まだ準備ができていません。姿勢が崩れると気道が圧迫されて、窒息の大きな危険があります。

足置きって本当に重要なの? それともただのネットの流行り?

本当に重要です。私も最初は「おしゃれなママインフルエンサーが言ってるだけの戯言」だと思っていたのですが、違いました。足でしっかり踏ん張ることで、体幹と顎が安定するんです。足がぶらぶらしていると、口の中の食べ物をコントロールするのがずっと難しくなります。実家に遊びに行ったときなんて、レオが足を踏ん張れるように、母の古いハイチェアの脚にエクササイズ用のゴムバンドをぐるぐる巻きにして即席の足置きを作ったくらいです。

ベルトの掃除って一体どうやったらいいの!?

取り外せるベルトの椅子を買ったなら、外して洗濯ネットに入れ、冷水で洗濯機を回すだけです。もし取り外せないなら(それは設計ミスなのでメーカーを呪いましょう)、熱いお湯と少量の食器用洗剤を染み込ませた雑巾でゴシゴシこすり、その後水拭きします。ただ、心が折れているときは、カピカピになったオートミールをそのまま放置することもあります。どちらも正当な子育ての選択肢です。

トレイを食洗機に入れるのはどう?

最近のものは「食洗機対応のトレイインサート付き」と書かれていることが多いですが、正直、食洗機の下の段を「全部」占領してしまいます。そんなスペースどこにあります? こっちには洗わなきゃいけない哺乳瓶や搾乳機のパーツが74個もあるっていうのに。だから私は、シンクでスポンジを使って洗っています。でも真面目な話、一番のライフハックは、トレイを取り外してダイニングテーブルにぴったり寄せられる椅子を買うこと。そうやって大人のテーブルで一緒に食べるようになってから、レオの食事量は劇的に増えました。バナナを眉毛にこすりつけているだけでも、「家族のディナーに参加している」という実感が湧いたみたいです。