午前3時14分、私はシカゴのアパートで天井を見つめていました。暖房器具はカタカタと音を立て、息子は飢えたハイエナのように私の鎖骨をかじっていました。彼のあごからはヨダレが滝のように流れ落ち、その夜3枚目の私のシャツをぐっしょりと濡らしていました。私は空いている片手で、暗闇の中、スマホにまったく意味不明な言葉を打ち込んでいました。
「あかちゃん いつは」と打っては消し、次に「あかちゃん なきや」と試して、最終的には正しく入力すること自体を諦めました。私の脳は疲れ切り、基本的な母音すら打てない状態だったのです。そしてついに、「赤ちゃんの最初の歯はいつ生えるの」という質問を最後まで打ち終えた瞬間、スマホを自分の顔面に落としました。
私は小児科の看護師として5年間働いてきました。トリアージでこんな子どもたちを何千人も診てきました。昔は、毎日8時間たっぷり寝ている人間の軽やかな自信をもって、新米パパやママに歯ぐずりのアドバイスをしていたものです。でも、暗闇で泣き叫んでいるのが自分の子どもとなると、持っていたはずの医学的な知識なんて一瞬で吹き飛んでしまうんですよね。
我が子が、一晩で大人の奥歯まで全部生えようとしているのか、それとも何か珍しい歯茎の病気にかかっているのかと本気で思い詰めてしまいます。でも実際のところ、現実はその間のよくわからないところに落ち着くものです。
永遠に続く「幻の歯」期
いいですか、もし生後4ヶ月の我が子が自分の拳をかじり、飼い猫にヨダレを垂らしているからといって「歯が生え始めたんだ!」と思っているなら、それはおそらく気のせいです。
生後3〜4ヶ月頃、赤ちゃんは自分の「手」を発見します。また、看護学校で習ったうろ覚えの発達段階のせいで、唾液腺の働きも活発になります。何でも口に突っ込むのは、そうやって世界を探索しているからであって、必ずしも歯が生えてきているからではありません。
かかりつけの医師によると、最初の歯が生える時期はイライラするほど曖昧だそうです。ほとんどの赤ちゃんは、生後6〜12ヶ月の間に下の中央の歯が最初に生えます。でも、4ヶ月で生える子もいれば、1歳の誕生日を迎えても歯茎だけの満面の笑みを見せてくれる子もいます。
遺伝も関係しているのでしょうが、自分の子に「いつ」それが起こるのか、誰も明確な答えをくれません。私たちはただ、毎朝砂金を探すかのように我が子の歯茎をチェックし、終わりのない期待状態を生きるしかないのです。
本当のサインと、ネットのデマ
ネット上には、高熱からおむつからのウンチ漏れまで、何でもかんでも「歯ぐずり」のせいにする情報があふれています。でも、ここではっきり言わせてください。そのほとんどは嘘です。
発熱の迷信についてお話ししましょう。これについては、かかりつけの医師がきっぱりと教えてくれました。38度以上の熱があるなら、それは歯ぐずりではなく病気です。37度ちょっとの微熱が出ることはあるかもしれませんが、もし体が熱く燃えるようになっているなら、それは保育園でウイルスをもらってきたからです。高熱を歯のせいにしていると、中耳炎などを見逃す原因になります。
では、実際に気をつけるべき「本当のサイン」を見ていきましょう。
- 歯茎の腫れと赤み。 表面のすぐ下に小さな白いポッチが見えることもあります。
- 睡眠の乱れ。 ただでさえ細切れの睡眠が、さらにひどくなります。
- 不機嫌。 1日中、まるであなたに個人的な恨みでもあるかのように振る舞います。
- 顔の発疹。 大量のヨダレのせいで、口の周りの肌が荒れてしまいます。
歯が生えようとしている歯茎に、青っぽくて奇妙な水ぶくれができることもあります。息子の歯茎にそれを見つけた時、私はパニックになりました。でも医師はそれをちらっと見て「萌出嚢胞(ほうしゅつのうほう)ですね」と言い、歯が生えてくれば自然に潰れるから大丈夫だと教えてくれました。そして本当にその通りになりました。人間の体って不思議ですよね(ちょっとグロテスクですが)。
アンバー(琥珀)のネックレスへの怒り
ここで、歯ぐずりの対策グッズについて一言言わせてください。寝不足でヘトヘトの親たちに向けて、あまりにも無意味な商品が売られていることに、私は怒り心頭なのです。

バルティック・アンバー(琥珀)のネックレスは大人気ですよね。赤ちゃんの首にかけ、「木の樹脂が肌に吸収されて天然の鎮痛剤になる」と熱弁する人がいます。でも、これが効くという科学的根拠はゼロです。一切ありません。たった10分でいいから休みたいと切羽詰まっている親たちに売りつけられる、ただのおまじないに過ぎません。
もっと重要なのは、寝ている赤ちゃんの首に窒息の危険をもたらすものを巻きつけているという事実です。ネックレスが切れたら(簡単に切れます)、ベビーベッドの中に誤飲の危険がある小さな粒がいくつも散らばることになります。得られるかもしれない効果に対して、リスクがあまりにも狂っています。
ホメオパシーの歯ぐずり用タブレットやベンゾカイン(麻酔薬)のジェルを使うのも、私は断固お断りです。FDA(米国食品医薬品局)が何度も警告を出しているので、これを勧めてくる人の話は耳に入りません。中に液体が入っているリング型の歯固めも、最終的には穴が開いて謎の液体が子どもの口に漏れ出すので論外です。
物をカチカチに凍らせたり、怪しいジェルを買ったりする代わりに、濡らしたオーガニックコットンのハンドタオルを冷蔵庫で冷やして、それを噛ませてあげてください。
噛む力に耐えて実際に役立ったアイテム
愛しい息子が歯ぐずりのピークを迎えていた時、私は数え切れないほどの歯固めおもちゃを買いました。でも、そのほとんどは犬の毛まみれになってソファの下に転がることになりました。
唯一、本当に役に立ったのが牛さんシリコン歯固めです。午前3時にスマホをスクロールしていた時、藁にもすがる思いで買いました。食品グレードの頑丈なシリコン製で、漏れ出すような変な液体も入っていません。息子は小さなリングを握りしめ、牛の耳を奥の歯茎で激しく噛みちぎらんばかりにしていました。食洗機対応なのも嬉しいポイントです(今の私にとって、気にする機能といえばそれくらいですから)。
それから、虹のシリコン歯固めも持っていました。写真映えは抜群です。虹のストライプで異なる質感が楽しめるのも良いですね。でも正直なところ、奥歯が動き始めた時、この形だと奥の歯茎には届きにくそうでした。前歯には良い選択肢ですが、我が家で大活躍してくれたのは常に牛さんの方でした。
もし赤ちゃんのヨダレについて考えるのをすっかりやめたいなら、体液とは無縁のプレイジム・コレクションやオーガニックベビーブランケットを見て、気分転換してみてくださいね。
歯磨き粉をめぐる大乱闘
最初の小さな白いカミソリの刃がようやく歯茎から顔を出したら、親の仕事はさらにハードになります。歯磨きのスタートです。

たった1本の歯を拭くなんて簡単そうだと思うかもしれません。でも、とんでもない。赤ちゃんの歯磨きは、怒り狂った野良猫の歯を磨こうとするのと全く同じです。口を固く閉じ、頭をよじり、泣き叫ぶのです。
かかりつけの医師には、すぐにフッ素入りの歯磨き粉を使い始めるように言われました。ただし、その量は「お米1粒分」だけ。子どもがあなたの喉元に回し蹴りを決めようと暴れている最中に、小さな歯ブラシにお米1粒分の歯磨き粉を絞り出すところを想像してみてください。もはやオリンピック競技レベルです。
私は、一般的な柄の長いベビー用歯ブラシは早めに見切りをつけることを強くおすすめします。私はベビー指歯ブラシセットに切り替えました。これは、人差し指にスッとかぶせるだけの、ブラシが付いた小さなシリコン製カバーです。圧倒的にコントロールしやすくなります。歯がどこにあるのか指でしっかり確認できますし、案の定ガブッと噛まれた時でも、シリコンが痛みを和らげてくれます。
正直、楽しい作業じゃありませんよ、本当に。でも、赤ちゃんの腕を優しく押さえて、1日2回、ただやり遂げるしかないんです。
いつ歯医者へ連れて行くべきか
実際のガイドラインによると、最初の歯が生えてから6ヶ月以内、あるいは1歳の誕生日までの、どちらか早い方のタイミングで小児歯科を受診することになっています。
初めての受診なんて、ほとんど笑い話のようなものです。子どもを抱っこして大きな椅子に座り、泣き叫ぶ口の中を歯医者さんが4秒くらいチラッと見て、「うん、確かに歯ですね」と確認し、保険を請求するだけですから。でも、それが基準となり、子どもを眩しい照明に慣れさせることには繋がります。
最初の歯を待つ期間は、ひたすら忍耐の修行です。自分の気が狂ってしまったんじゃないかと疑うこともあるでしょう。一生分かと思うくらい、大量のヨダレかけを洗うことになります。でも最終的には、あの小さな白い線が現れ、熱を出したような大泣きも数週間は収まります。そしてまた、残りの19本の歯で同じことを繰り返すのです。
夜泣きに完全に心を折られる前に、ぜひシリコン製の歯固めと柔らかいハンドタオルを買いだめしておいてくださいね。
まだ気になるかもしれない疑問あれこれ
決まった順番で生えてくるの?
大抵は下の前歯2本が最初に顔を出します。次に上の前歯2本。その後は、なんだかもう無法地帯です。上の歯から生える子もいます。私の友人の子は犬歯から生えてきて、半年間小さな吸血鬼みたいな顔をしていました。子どもって本当に自由なんですよ。
歯ぐずりで下痢になることはある?
いいえ。これは本当によく聞く話で、歯ぐずりのせいでウンチが漏れるんだと断言する人がたくさんいます。でも、医学的にはそれは否定されています。もし子どもが下痢をしているなら、リトミック教室で床を舐めて胃腸炎の菌をもらってきた可能性が高いです。歯茎のせいにしないでくださいね。
1歳なのにまだ歯が1本も生えていない場合は?
今のうち楽しんでください。正直なところ、授乳中に噛まれない幸せを満喫してください。奥手な子もいるんです。かかりつけの医師は、1歳半になるまでは歯が生えなくても心配しなくていいと言っていました。1歳半になっても歯茎だけのままなら、レントゲンを撮るかもしれません。それまでは、柔らかい食事を与え続けてあげれば大丈夫です。
歯ぐずりの痛みにタイレノール等の鎮痛剤を使っても大丈夫?
聞いてください、私は本当に必要な時には薬を使うべきだと強く思っている派です。もし深夜の2時で、子どもが歯茎の痛みでどうにも泣き止まないなら、体重に合わせた正しい量の乳児用鎮痛剤を飲ませます。一晩中耐え忍んだからといって、表彰状がもらえるわけではありませんから。ただ、事前に必ず医師に確認して用量チャートをチェックしてくださいね。
噛むのをやめさせるにはどうしたらいい?
完全にはやめさせられません。最初の歯が生えたら、赤ちゃんはそれを試したくてたまらないのです。もし授乳中に噛まれたら、すぐに口を離し、安全な場所に下ろして、1分ほどその場から離れてください。「噛むとごはんと関わりがストップしてしまう」ということを、彼らはすぐに学習します。まあ、それでもめちゃくちゃ痛いことには変わりないんですけどね。





シェア:
赤ちゃんの「喃語」はいつから?毎日お疲れのママに贈る言葉の成長ガイド
午前3時の歯ぐずりレスキュー:初めての乳歯を乗り切るヒント