半年前のトムへ、
今、君は夜中の2時に1階のトイレの端に腰掛け、双子から身を隠しながら、眠い目をこすってスマホを眺めていることだろう。君の疲労困憊ぶりと静かな時間を求める切実な思いを察知したInstagramのアルゴリズムが、ちょうどある動画をおすすめしてきたはずだ。その動画では、ぽっちゃりとした穏やかな赤ちゃんが、真っ白でピカピカのバスタブに浮かんでいる。首には鮮やかな色のプラスチック製の浮き輪が巻かれ、それで全身を支えられている。その姿はまるで、水の中にいる小さな大仏様のようだ。背景には癒し系のスパ音楽が流れている。君の親指は今まさにApple Payのボタンの上でスタンバイし、この魔法のようなアイテムに30ポンドを払おうとしている。娘たちが禅の境地で浮かんでいる間に、ようやく温かいお茶が一杯飲めるかもしれないと期待して。
未来から手紙を書いている僕から言わせてほしい。なあ、スマホを置くんだ。その赤ちゃん用首浮き輪は買っちゃいけない。
君が何を考えているかは痛いほど分かる。だって僕は君自身なんだから(髪の毛が少し減って、左肩に取れないシミが常にあること以外はね)。君は、このプラスチックの道具が、お風呂タイムの苦労を解決してくれると思っている。泣き叫ぶ2人の人間を洗うという、あの混沌としたツルツル滑るプロレスごっこを、穏やかなハイドロセラピーの時間に変えてくれると信じている。だけど、そうはならない。パステルカラーの可愛らしい宣伝文句の裏に隠された本当の理由は、控えめに言ってもかなり恐ろしいものなんだ。
水に浮かぶ赤ちゃんの動画が作り出す幻想
インフルエンサーのママたちが発信しているようなキラキラしたイメージではなく、この浮き輪の本当の姿を説明しよう。あれは実のところ、PVC(ポリ塩化ビニル)でできたギロチンのようなものだ。浮き輪を膨らませてこじ開け、自分にとって一番大切で壊れやすい存在の首にそれをガッチリとはめ込む。そして、中世の拷問器具さながらに、赤ちゃんの全体重を顎の部分だけでぶら下げることになるんだ。
動画の赤ちゃんはいつも至福の表情でリラックスしているように見えるけれど、実際はただ混乱して身動きが取れなくなっているだけじゃないかと僕は睨んでいる。「ベビースパ」という素敵な響きが、僕たちのような寝不足の親たちをすっかり洗脳してしまった。その大きく重たい頭を自分で支えることすらできない乳児を、浮き輪で一人プカプカ浮かばせるのが正しいことだと思い込ませているんだ。冷静に見てみると、あれは完全に異様な光景だよ。小さな人間が、ワインボトルのコルクみたいにプカプカと浮かび、親のスキンシップから完全に切り離されている。そして親は1メートル離れたところから、TikTok用に動画を撮っているんだから。
ついでに言うと、「運動発達を促すウォーターセラピー」なんていう宣伝文句も、完全にデタラメだ。
パテル先生が実際に語った恐るべき事実
近いうちに、娘たちを予防接種に連れて行くことになるだろう(ネタバレになるけど、娘たちはギャン泣きし、君は滝のような汗をかくことになる)。その時、君は何気なくパテル先生に「市民プール用に首浮き輪を買おうか迷っている」と相談するはずだ。すると先生は、パソコンのモニター越しに、同情と心底ゾッとしたような表情が入り混じった顔で君を見つめるだろう。
疲労で頭にモヤがかかった状態で聞いた話をまとめると、先生はこう説明してくれた。新生児の背骨は、基本的に軟骨と「希望」でできているようなものだ、と。5キロちょっとある赤ちゃんを顎の骨だけでぶら下げるなんて、発達途中の頸椎に不自然で、率直に言って危険すぎるほどの負担をかけることになる。僕は解剖学者じゃないけれど、人間の首が全身の体重を支えるように作られていないことくらいは確信を持って言える。
さらに先生は「気道の圧迫」についてもボソッと言及し、僕は背筋が凍る思いをした。どうやら、浮き輪が少しきつすぎたり、赤ちゃんが足をバタバタさせてズレたりすると、柔らかくて小さな気管を圧迫したり、血流を妨げたりする可能性があるらしい。そしてさらに、空気が抜けるという重大な問題もある。アメリカの安全機関(FDAやCPSCだったかな)は、この浮き輪の継ぎ目が破裂する危険性について、大々的に警告を発している。もし継ぎ目が破裂したら、赤ちゃんはあっという間に穴からすり抜けて、一瞬で水に沈んでしまう。安全グッズを買ったからと完全に安心しきってすぐそばに立っていたのに、それが音もなく破損するなんて想像しただけで、プールに行く気すら失せてしまうよ。
濡れててんやわんや、それがお風呂タイムの現実
じゃあ、代わりにどうすればいいのか? 何千年も前から親たちがやってきたことと同じだよ。つまり、自分もびしょ濡れになりながら、ちょっとした腰の痛みに耐え、お風呂タイムは「コンタクトスポーツ(格闘技)」だと割り切るんだ。

娘たちを水に慣れさせる一番安全な方法は、とにかく抱っこすることだ。浅いお湯の中で肌と肌を合わせて抱きしめてあげれば、華奢な背骨をしっかり支えられるし、万が一滑りそうになっても、親の反射神経ですぐに助けることができる。もちろん、濡れた赤ちゃんはバターを塗ったウナギみたいにツルツル滑る。腕の中から後ろへ反り返ってダイブしようともするだろう。でも、数センチの温かいお湯の中で、君の胸にピタッと抱き寄せることだけが、彼女たちの安全を確実に守れる唯一の方法なんだ。
結局のところ、ちゃんとしたお風呂タイムのために、僕らはおしゃれな浮き輪グッズを諦め、大人のバスタブの中に置いて使う硬いプラスチック製のベビーバスを使うことにした。小さなリクライニング式のデッキチェアみたいなやつだ。これなら赤ちゃんの頭をしっかり支えてくれるし、何より重要なのは、プラスチックのリングで気道を圧迫する危険を冒すことなく、片方の双子をしっかり掴んだまま、もう一人を洗えるということだ。
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親のメンタルを崩壊させないベビー服
すぐに気づくことになるだろうけれど、本当の試練は水の中ではなく、お風呂から引き上げた直後の、あの怒涛の3分間だ。寒さに震え、急激な温度変化に激怒した赤ちゃんたちの泣き声は、絶対にガラスを割れるんじゃないかと思うほどの高音域に達する。
ここで重要になってくるのが、何を着せるかという戦略だ。湿ってブチ切れている娘たちに素早く着せるのに、僕が一番気に入っているのがオーガニックコットン ベビーボディスーツ(袖なしロンパース)だ。これはまさに命の恩人だよ(ただの服にそんな大げさな、と思うかもしれないが、夜の7時にもなれば本気でそう思える)。オーガニックコットンは信じられないほど柔らかくて素晴らしい。というのも、娘たちの肌は化学繊維が少しでも触れると、すぐに赤い発疹が出てしまうからだ。でも、この服の本当の天才的なところはエンベロープ(重ね襟)仕様の肩部分にある。おむつ替えマットの上で、湿った幼児が完璧なワニのデスロールを繰り出している時に、きつい襟口と格闘している暇なんてない。このボディスーツなら、耳を引っかけることなく、大きな頭にもスルッと被せることができる。そして、娘たちが逃げ出す前に股下のスナップボタンをパチンと留められるんだ。
一方で、我が家にはオーガニックベビーロンパース(長袖ヘンリーネック 冬用ボディスーツ)もある。これも…まあ、悪くはない。誤解しないでほしいのだけど、生地は本当に素晴らしいし、うちの古いビクトリア朝様式の窓から秋のすきま風が吹き込んできても、間違いなく暖かく包み込んでくれる。ただ、赤ちゃんがおむつ替え台から親を蹴落とそうと全力で暴れている最中に、首元にある3つの小さくて厄介なヘンリーボタンを留めようとするのは至難の業だ。僕がジャーナリスト時代から一度も発揮したことのないレベルの指先の器用さが求められる。だから僕は大抵、一番上のボタンは開けたままにして、妻には「そういうスタイルなんだよ」と言い訳している。
近所のプールへ行く時の心得
やがて君が勇気を振り絞って本物のプールへ連れて行ったとき、周りの親たちが首浮き輪やアームリングを使っているのを目にするだろう。子供がプカプカ浮かんでいる横で、プールサイドに立ってコーヒーを飲んでいる彼らの姿に、一瞬だけ猛烈な嫉妬を感じるはずだ。

誘惑に負けちゃダメだ。その「安全だという錯覚」こそが、こうした製品の最も危険な点なんだ。ちょっと一歩下がってタオルを取るくらい平気だろうと思うかもしれない。でも、水辺での赤ちゃんの事故は、音もなく、一瞬で起こる。プラスチックの浮き輪を買おうなんて考えはゴミ箱に投げ捨てよう。プールへのお出かけとは、「両腕の感覚がなくなるまで、ぬるま湯に腰まで浸かりながら、子供を胸に抱きしめ続けることだ」と受け入れるんだ。そうすれば、君はずっと安全で頼もしい親になれる。
生後8〜9ヶ月くらいになって少し大きくなったら、ボートに乗る時のために安全基準を満たしたちゃんとしたライフジャケットを検討してもいい。でも今のところは、君の両腕こそが、彼女たちに必要な唯一の浮き輪なんだ。疲れるし、腰も痛くなる。それに、塩素とカルポル(子供用の風邪薬)の匂いが常に染み付くようになるけれど、これしか方法はないんだ。
頑張れよ。少しでも睡眠をとって。そして、Apple Payから指を離すんだ。
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水の安全に関する、甘くない現実
赤ちゃん用の首浮き輪が、本当に安全に使えることはある?
正直に言うと、「常にちょっとしたパニック状態に陥ること」を安全と呼ぶなら別だけど、そうでなければ安全とは言えない。たとえ目を離さずに見守っていたとしても、赤ちゃんの小さな首の骨にかかる負担を考えれば、Instagram用の写真を撮るだけの価値なんて全くない。パテル先生も「そんな考えはゴミ箱に捨てなさい」というスタンスだったし、主要な安全機関も同意見だ。とにかく、その腕で抱っこしてあげて。
浮き輪なしで、双子をプールに慣れさせるには?
1人ずつ順番に、だ。Tシャツの下にもう一対の腕が隠れているわけでもない限り、ヒーローぶって2人を同時に水に入れようとしちゃダメだ。妻と僕で1人ずつ担当し、体温が伝わるように胸にしっかりと抱き寄せて、浅瀬で優しく揺らしてあげるんだ。どっちみち、最初の10分間は嫌がって泣くことが多いけどね。
首浮き輪を使っている間、ずっと目を離さずに見ていれば大丈夫?
僕もまったく同じ質問をしたけれど、「危険な製品を使っている赤ちゃんをしっかり見守っていたからといって、魔法のようにその製品が安全になるわけではない」とはっきり言われたよ。もし継ぎ目が破裂したら、まばたきする間に沈んでしまう。それに、赤ちゃんの全体重を顎からぶら下げている状態であることに変わりはなく、じっと見ていたところでその問題は解決しないからね。
水泳の後に着せるのに、一番おすすめの服は?
とにかく抵抗なくスムーズに着せられるものが一番。ボタンが多すぎたり、首回りがきついものは、大パニックを引き起こす原因になる。僕はいつも、袖なしのオーガニックコットン製ボディスーツをバッグに入れている。湿った肌にもスルッと伸ばして着せられるし、プールで少し肌が荒れてしまっても、この生地なら肌への刺激にならないからね。上から暖かいブランケットをバサッと掛けて、車まで全力疾走しよう。
最初、赤ちゃんがお風呂を嫌がるのは普通のこと?
うちの双子なんて、最初の3ヶ月はまるで酸のプールに沈められているかのように絶叫していたよ。完全に普通のことだ。寒くて、裸で、混乱しているんだ。部屋を馬鹿みたいに暖かくして、お湯に入っている間は温かくて湿ったモスリン(ガーゼ)の布をお腹の上にのせてあげると、大泣きを防ぐのに効果的だったよ。





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